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「ベジフードで世界は変わる」。昨日までとは
少しだけ風景が違って見えるヴィーガン料理。
LIFE STYLE Oct 25, 2021
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.ではこのメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第24回はベジフードを通して、「昨日」とは少しだけ違う「今日」という価値を提供するヴィーガン専門店「RAINBOW BIRD RENDEZVOUS(レインボーバードランデヴー)」をピックアップ。
「レインボーバードランデヴー」は、オープンから今年で14年目を数える中目黒のヴィーガン専門店。英語で“待ち合わせ”や“遭遇”を意味する「ランデヴー」を店名に冠するとあって、オーナーを務める菅原裕之さん、雅世さんをはじめ、スタッフやお客さんが多様な考えや価値観を持ち寄り、互いに意見を交換することで次の世代に自信を持って引き継げるライフスタイルを探求している。菅原さんご夫妻は“食べること”や“心身の健康”の大切さを発信する一方、その根底にあるコミュニケーションが最も重要なのだと語る。ヴィーガニズムは人間同士だけではなく、動物や自然環境、ひいては社会そのものが相手になる場合もある。そのような状況下でも、「相手を思いやり受け入れ、自分の主張を真っ直ぐに表現する」ことで、困難な問題も解決できるという。「なぜ植物性の食材にこだわるのか?」、「有機農法の野菜を使う理由は?」、「フェアトレードの商品は誰の力になれるのか?」。そういった疑問をひとつずつコミュニケーションを通して正直に伝えていくことで、より良い世界に変える努力を続けているのである。
お店で提供する料理やお弁当は、すべて植物性食材のみを使用したベジタリアンメニュー。肉、魚、卵、乳製品、蜂蜜等の動物性食材だけでなく、白砂糖、化学調味料、保存料等も一切使わない。野菜は有機栽培のものに加え、薬品だけでなく肥料も与えず、畑の土壌に眠る栄養を吸収して自らの力で育っていく「自然栽培」の野菜を、できる限り使うこだわりようだ。その他にもコーヒー豆などは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入することで、現地の生産者や労働者の生活改善を促すフェアトレードを積極的に取り入れている。すべてに目を光らせて選び抜いた安心安全な食材は、選べるメインの他に、玄米ご飯やサラダ、スープなどを組み合わせた人気のランデヴープレートをはじめ、自家製パテが自慢のハンバーガーやヴィーガンラーメン、定番のソイミートから揚げなどの和洋中、バラエティに富んだ料理へと生まれ変わる。
フードメニュー以外にも、フレッシュな野菜や果物を使ったスムージーやハーブティーといったドリンクメニューに加え、ヴィーガン仕様の自家製ソフトクリームや全粒粉のクレープなどスイーツメニューも充実。またハンバーガーやお弁当はデリバリーサービスを行っている他、アイスクリームやグルテンフリーハンバーグなどの通信販売やカジュアルケータリングサービス(要予約)なども行っているので、気になる方はオフィシャルサイトでご確認を。
また、お弁当のパッケージにはベジフードと地球環境にまつわるメッセージカードを添えるなど、さり気ない気配りの中にも心が和むコミュニケーションや地球環境に対する真摯な姿勢が伺える。
「レインボーバードランデヴー」は、自分たちの活動を通して世界は変わると語っている。スピリチュアルな話かと、一瞬身構えるほど壮大な話だが、植物性の食事で地球温暖化を減速させたり、自然界に化学物質を放出するのを防ぐために有機農法の野菜にこだわったりと、ほんの少しの変化が四方八方に伝わっていく。それが折り重なって起こる波のような連鎖となって、昨日までと違う世界が実現すると信じているのだという。世界を変えられるかどうかは誰にも分からないが、お店に足を運び、ヴィーガン料理を美味しく食べることで誰でもその小さな変化を後押しする頭数になれることは明らかだ。
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