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ABOUT JAN, 2025
味の決め手は中国産の高級生薬を使ったスープ。
薬膳をベースにした野菜料理の専門店が開店!
LIFE STYLE Sep 5, 2022
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第62回は、今年8月にグランドオープンした南青山にある薬膳×野菜のレストラン「VEGAN VEGGIE 嫦娥(ジョーガ)」をピックアップ。
古来から伝わる中国神話のひとつ「嫦娥奔月(じょうがほんげつ)」に登場する天女の名を店名に冠した「VEGAN VEGGIE 嫦娥」。東京上野の地で約20年にわたり営業を続ける中華の名店「再来宴」を運営するゴールドウェイが新たに手掛けた、薬膳をベースとする野菜料理の専門店である。もともと、仏教を信奉し、動物を殺さないという愛護精神に共鳴したことからベジタリアンとなった同店のオーナーが、自分のような食の嗜好を持つ人が食事をできるお店が少ないこと、さらにコロナ禍以降、元気のない世の中に対して何か優しいことをしたいとの想いから、動物性原料を使用しないレストランを思い立ったという。
季節の野菜をふんだんに使った身体に優しい菜食メニューを提供する「嫦娥」だが、味の決め手となるのが薬膳を使ったスープ(出汁)である。かつて、観光客向けではない本当の広東料理を日本で広めたいという目的で本格中華料理のお店「再来宴」をオープンしたとあって、自慢のスープには卓越したテクニックや中華ならではの伝統技法が存分に活かされている。本場中国から直接仕入れた高級生薬を様々な食材と組み合わせることで、辛味や苦味といった生薬特有の刺激を抑え、非常にまろやかで旨味のある味わい深いスープに仕上げた。「特製グリーン麻婆」や「自家製 薬膳麺」など、この店でしか味わうことのできない特別な逸品は、このこだわりのスープが味を決める根幹となっているのだ。また、希少な薬膳は料理だけでなく、中国茶にも用いられており、さっぱりとした飲み口の薬膳茶と料理のペアリングが新たな食体験へと導いてくれる。
薬膳の効能と野菜本来の力強い味を堪能するのなら、3種類用意されたコース料理がおすすめだ。「嫦娥」特製漢方麺コース(5,000円)は、自慢の薬膳麺をメインとした全7品のコース。7,500円の嫦娥スタンダードコースは、新鮮野菜を使った前菜や蒸し物など、心と身体に優しい料理に加え、大豆ミート製のハンバーグや炒め物などが味わえる。「嫦娥」オリジナルのヴィーガン料理を心ゆくまで楽しめる「嫦娥」満喫フルコース(10,000)では、上海蟹の蟹味噌風の味付けに仕上げたオリジナル料理や、冬瓜を豚の角煮風に見立てた逸品など、独創的なメニューが全10品並ぶ。
動物性食材を一切使用しないメニューがほとんどだが、ヴィーガンでない人のために卵や乳製品を使ってほしいというリクエストにはできる限り対応しているという。そこには、ヴィーガンだけでなく、あらゆる人に楽しんでもらえるお店にしたいというオーナーの真摯な想いが反映されている。かつて「再来宴」が本場の広東料理を日本で広めたように、薬膳をベースとした新たなヴィーガンメニューが菜食料理のスタンダードとして定着する日もそう遠くはなさそうだ。
東京都港区南青山6-2-13 ファイン青山ビル1階
TEL 03-6419-7860
www.instagram.com/vegan.veggie.joga