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ABOUT FEB, 2025
地産野菜や島豆腐など“島のめぐみ”を堪能する,
「ホテル日航アリビラ」のヴィーガン会席コース。
LIFE STYLE Aug 28, 2023
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第106回は、異国情緒漂うスパニッシュコロニアル調の建物が印象的な沖縄のリゾートホテル「ホテル日航アリビラ」内にある日本料理/琉球料理「佐和」をピックアップ。
沖縄本島中部に位置する読谷村にあり、県内屈指の透明度を誇る天然のニコライビーチを見張らす、全室オーシャンビューが自慢の「ホテル日航アリビラ」。オールデイダイニングや沖縄産和牛が楽しめる鉄板焼きなど全7箇所あるレストランやバーの中で、和と琉球が織り成す厳選された“島のめぐみ”を存分に堪能できるのが今回紹介する日本料理/琉球料理「佐和」だ。沖縄独自の食材を活かしながら、細やかな技術を駆使し、和食の美味を追求したオリジナリティに溢れる“和球”料理を謳う同店が、動物性由来の食材を使用しない「ヴィーガン会席」を、9月1日(金)より提供開始する。
もともと、国内のみならず海外からのゲストも数多い同ホテル。菜食主義のお客や健康へのこだわり、さらに信仰上の理由などから食の多様性に対応するメニューの要望が近年増加しており、これらの幅広いリクエストに応える形で実現したのだという。ヴィーガンやベジタリアンでも安心して口にできる会席コースは、出汁や調味料を含め、魚、肉、卵、乳製品、蜂蜜といった動物性由来の食材を一切不使用。ナッツ類や豆乳、てんさい糖、昆布出汁など植物由来の食材や新鮮な野菜を使い、伝統的な日本料理ならではの素材本来の味を引き出す技法で調理される。沖縄の郷土料理「ジーマーミ(ピーナッツ)豆腐」をはじめ、ゴーヤやハンダマ(水前寺菜)といった島野菜に島豆腐など、古くから沖縄で親しまれている食材を使用するだけでなく、ソイミートのつくねや昆布出汁で炊いた炊き込みご飯など、食べ応えや満足感にもこだわった。沖縄の豊富な食材と日本料理の技術の粋を集めた独創的な会席料理は、菜食主義だけでなく、野菜中心の食事を好む人や健康に気を遣いたいノンベジでも十分楽しめる。何より、植物性食材だけとは思えない創意工夫に富んだ料理の数々は、ヴィーガンに懐疑的な人をも驚かせるに違いない。
改めてコースの詳細について説明しよう。前菜は「佐和」オリジナルのもっちりとした濃厚な味わいのジーマーミ豆腐の他に、てんさい糖を用いた胡桃の甘露煮、甘酸っぱく爽やかな林檎と柿なますなど計6種を用意。お造りは湯葉の刺身と焼き那須を特製の昆布出汁醤油で味わうもの。鮮やかな野菜の色味が目を惹く小鍋は、ゴーヤやハンダマなどのフレッシュな島野菜とヨモギ麩などを昆布出汁を加えたまろやかであっさりとした豆乳鍋に仕立てた。
焼き物は、島豆腐やすりおろした蓮根をつなぎに加えたソイミートのつくねと彩り豊かな野菜に、氷砂糖を使用した甘辛いタレを絡めて食べ応えのある一品に。米粉を使った揚げ物は、ズッキーニや島らっきょうをカラッと揚げたサクサクの野菜天麩羅。ミネラル豊富でまろやかな粟国の塩またはカレー塩で楽しめる。食事にはかぶと油揚げの炊き込みご飯とお味噌汁、香の物を用意。野菜の持つ本来の味わいと丁寧にひいた昆布出汁の旨味を味わえる全6品のコースとなっている。それぞれの料理に合わせた沖縄の陶器“やちむん”や有田焼の器と繊細な盛り付けなど、目でも楽しめるのは本格的な会席料理ならではの醍醐味といえよう。
ヴィーガンやハラルなど、食の多様化に即したレストランやカフェは今ではさほど珍しくない。だが、100%ヴィーガンの本格的な会席コースとなると、都内ですら見つけるのは至難の業といえるだろう。リゾートホテルという非日常空間で、他にはない食のスタイルを体験することは大切な旅の想い出として記憶に刻まれるに違いない。沖縄を旅する際は、ぜひ1度足を運んでみてはいかがろう。
沖縄県中頭郡読谷村字儀間600
ヴィーガン会席提供時間:17:30~21:30(L.O.21:00)
TEL:098-989-9021
*営業日や営業時間、食材は状況により変更となる場合があります。詳しくはお問い合わせ、または公式サイトをご確認ください。
www.alivila.co.jp