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アメリカ西海岸で行列を生む一杯を逆輸入!
ミシュラン掲載店「麺庄」のヴィーガン担々麺。
LIFE STYLE Apr 25, 2022
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第46回は、渋谷パルコのレストランフロア「CHAOS KITCHEN(カオス キッチン)」内にあるラーメン店「Jikasei MENSHO(ジカセイ メンショウ)」をピックアップ。
2019年11月にオープンした「ジカセイ メンショウ」は、ミシュランにも選出された国内外に15店舗を展開する「麺庄」グループが手掛けるお店。“ネオ東京ラーメン”をコンセプトに掲げ、今や国民食でもあり、日本が世界に誇れるラーメンを伝統的かつ革新的な手法で調理を行い、新たな美味しさを提案している。オーナーシェフを務める庄野智治氏は、アメリカのTwitter社でゲストシェフを務めるなど、ラーメン界ではよく知られた人物。コンセプトに付随する“伝統”と“革新”という相反する要素のうち、後者に当たるのが今回紹介するヴィーガンメニューだ。アメリカ カリフォルニアに2店舗を構える「ジカセイ メンショウ」が、健康志向や環境問題への意識が高い現地の顧客向けに提供を始めたのがきっかけとなり、その好評を受けて日本に逆輸入する形でメニューに加えられた。日本の店舗でのグランドメニュー化にあたっては、新たに日本の食材を取り入れ、日本独自の味わいに仕上げたのだという。
植物性食材のみで作られているメニューは、ヴィーガン担々麺、ヴィーガン汁なし担々麺、V.G.K.Oの3品。すべて動物性タンパク質を一切使わずに、野菜本来の旨味を抽出することで女性客でも食べやすいようクリーミーなテイストに仕上げたもの。また、“ヴィーガン、ガーリック、ノックアウト”の頭文字をとったV.G.K.Oは、見栄えが悪くそのまま提供できない野菜や、カット後に余った野菜の端材をグループ内から集めて再利用するなど、フードロスの問題にも積極的に取り組んでいる。ヴィーガン対応のみならず、麺に使われる小麦は、スタッフ自らが直接畑へと足を運び、品質を確かめた玄麦を買い付けて店舗で製粉した自家製麺を使用しており、そのこだわりは細部にまで及ぶ。なお、ヴィーガンメニューのうち、担々麺と汁なし担々麺に関しては新宿ミロードにある系列店「MENSHO San Francisco(メンショウ サンフランシスコ)」でも食べることができる。
日本発のラーメンを世界に広めたいとの想いを大切にしながら、食材にスーパーフードを使ったり、ヴィーガンメニューを取り入れるなど、伝統や歴史に固執しない姿勢から学ぶべき点も多い。その柔軟なアイデアと旺盛なバイタリティが、創業からわずか7年余りで急成長を遂げた大きな理由でもあるのだろう。アメリカ西海岸で生まれ、日本人好みにアレンジを施したヴィーガン担々麺を、ぜひ味わってみてはいかがだろう。
東京都渋谷区宇田川町15-1 B1階
TEL 03-5489-3880
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