“MEAT FREE MONDAY” KAMONKA

Text_SWAG H.

"MEAT FREE MONDAY”
KAMONKA

代替肉のイメージを鮮やかに覆す｢過門香｣と,
｢ネクストミーツ｣珠玉のコラボレーション。

LIFE STYLE Dec 13, 2021

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“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第31回は、近年、飛躍的にクオリティが向上した代替肉のトップブランドとのコラボレーションメニューを提供する中華の名店｢過門香銀座本店｣をピックアップ。

都内に9店舗を構える｢過門香｣は、北京、四川、上海など、広大な中国大陸において各地方の気候や風土に沿って独自に発展していった歴史深い食文化の中から、選りすぐりの逸品を集めたモダンチャイニーズスタイルの中華レストラン。｢過門香｣という店名が表すように、中国全土のあらゆる美味を味わい尽くす“門”の中から漂ってくる芳醇な“香り”が、訪れる人々を惹きつけて止まない人気店である。そんな｢過門香｣では、今夏より銀座本店限定で、日本発のスタートアップ企業、｢NEXT MEATS(ネクストミーツ)｣とのコラボレーションメニューを展開していたが、予想を超える反響を受けて2022年1月より正式にグランドメニューに加わることとなった(12月中のメニュー提供はありません)。

もともと｢ネクストミーツ｣の創業1周年を記念し、普段なかなか代替肉を口にする機会が少ない中で、より多くの人たちにその美味しさを知ってほしいとの想いから、複数の飲食店とタッグを組んで始まった本コラボレーション。今回紹介する｢過門香｣のシェフも、中国精進料理に興味を抱き、色々と勉強していく中で“完全菜食主義”という食のスタイルを知ったことも重なり、今回の協業が実現。中華圏では古くから、“素食”と呼ばれる、動物性食材不使用のベジタリアン様式が浸透しており、宗教上の禁忌として肉、魚、卵、乳製品に加え、五葷(にんにく、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にら)を食べない厳格なスタイルも存在するなど、菜食主義においては長い歴史があったことも、メニューを開発する上で大きな追い風となった。今回、グランドメニューに加わるコラボレーションメニューは、全5種類で、すべての料理に｢ネクストミーツ｣の代表商品“NEXTハラミ”を使用。ふんだんに野菜を取り入れる中華料理の特徴はそのままに、本物のお肉と遜色ない食感や旨味が自慢の“NEXTハラミ”の味わいを引き立てるために、味の基本要素である五味(酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味[かんみ])を丁寧に活かした｢過門香｣ならではの完成度の高い逸品に仕上がった。

NEXTハラミの黒酢酢豚

コク深く、甘酸っぱい黒酢餡は、ほんのり薫るジャスミン茶の風味がアクセントに。肉肉しい食感を楽しめる｢NEXTハラミ｣を重ね合わせたアイデアも秀逸。

NEXTハラミの回鍋肉

｢NEXTハラミ｣とたっぷりのキャベツやパプリカを、自家製の甜麺醤で合わせた一皿。中華の定番メニューも代替肉にすることで、食べ応えがありながら後口に重さを感じさせない。

NEXTハラミの麻婆豆腐

花山椒のシビれと豆板醤の辛味を効かせた本格的な麻婆豆腐をヴィーガン仕様にアレンジ。麻婆豆腐には珍しいレンコンのサクサクとした食感も面白い。

コラボレーションメニューは、店内での提供に加え、｢Uber Eats（ウーバーイーツ）｣でのデリバリーにも対応。ランチは、ご飯、スープ、小鉢が付いており、スープの内容を変更すれば、動物性食材不使用の100%ヴィーガンメニューとなる。また、ディナータイムでは、コラボレーションメニューの単品でのオーダーが可能。ランチ、ディナー共に数量限定なので、来店する際には予約を忘れずに。

NEXTハラミの宮保炒め

通常、鶏肉や牡蠣などを使用する宮保(クンポー)炒めを｢NEXTハラミ｣で代用。甘麹を使ったコクのある甘辛い餡が、オクラやパプリカなどの野菜と代替肉の味を引き立てる。

NEXTハラミのあんかけご飯

レンコン、百合根、人参などのたっぷり野菜と、キノコや｢NEXTハラミ｣が入った具沢山のあんかけご飯。それぞれ食感の異なる具材と旨味の詰まった餡で、食べ進める手も止まらない。

食の世界に限らず、コラボレーションとは名ばかりで蓋を開けてみれば粗製濫造というパターンは少なくない。しかし、今回のように｢過門香｣が有する本格的な中華の技法を使い、代替肉の可能性を拡げると共に｢ネクストミーツ｣の商品自体の知名度を高めるという試みは、必然性を伴った素晴らしいコラボレーションといえる。まだ代替肉を味わったことのない人や、そのポテンシャルを疑問視している人は、ぜひ｢過門香｣に足を運んで自分の舌で確認してみてはいかがだろう。