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「ジャンクフードなのに、ヘルシーかつヴィーガン」
“オルタナティブジャンク”を謳う京都のダイナー。
LIFE STYLE May 15, 2023
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第93回は、京都を代表する老舗商店街、京都三条会商店街の中にあるオーガニックレストラン「Premarché Alternative Diner(プレマルシェ・オルタナティブ・ダイナー)」をピックアップ。
東西800メートルにも及ぶアーケード街に、約180もの店舗が軒を連ねる京都三条会商店街。その一角に店舗を構えるのが、今回紹介する「プレマルシェ・オルタナティブ・ダイナー」だ。2020年2月にオープンしたこちらのお店は、イタリアジェラート協会主催の世界的なコンテストで3位入賞の実績を誇るジェラート職人、中川信男氏がプロデュースを手掛ける自然食をベースにしたレストラン。「人種、国籍、宗教、文化、思想、嗜好、健康上の理由から食べ物に制限がある状態」を、自らフードバリアと定義し、それを乗り越えていくための様々な取り組みを京都から発信している。
お店で提供されるグランドメニューの半数以上がヴィーガン仕様。ジャンクフードの見た目なのに、ギルトフリーでヴィーガンにも対応した“オルタナティブ ジャンク”を謳い、店名にも反映されている。あえて“異端”を自負しながら、使用する食材へのこだわりや安心、安全への配慮は真っ当そのもの。動物性食材はもちろん、化学調味料や酵母エキスなど、それが植物性由来であっても食品添加物は一切使用しない。一方、スーパーフードや天然の発酵食品、薬膳といった心と身体を支える食材は積極的に取り入れている。味の輪郭を左右する定番の調味料に関しても、沖縄の釜炊き海塩をはじめ、時間をかけて発酵を促した無添加の味噌や醤油、さらに丁寧に旨味を引き出したオリジナルの野菜ブイヨンなど、その徹底したこだわりは枚挙にいとまがない。メニューには、アメリカナイズされたハンバーガーやイタリアのピザ、中東発祥のフムスなど、各国の名物料理がずらりと並ぶ。すべてに共通するのは、秘めた和素材の魅力を引き出し、手軽で強いジャンクさと清浄さを和の技法を用いることで世界のレシピと味を統合することだという。
フードメニュー以外に目を向けると、旬のフルーツを使った季節のタルトやガトーショコラ、チーズケーキといったヴィーガンスイーツも充実。ランチタイムには、ハンバーガーやカレーにデザートを合わせたお得なセットも用意されている。ドリンクメニューも有機農法で作られたビールやヴァンナチュール、地元、京都産のクラフトジンなどのアルコール類に加え、オーガニックサイダーやアルコールゼロワインを用意するなど、お酒が飲めない人への配慮も行き届いている。
「プレマルシェ・オルタナティブ・ダイナー」が目指すのは、誰もみたことのないジャンクじゃない、もう1つのヘルシーフードの世界。その未知なる新世界に足を踏み入れてみてはいかがだろう。
京都市中京区三条通堀川西入橋西町672 2階
定休日:水曜日
TEL:075-600-2233
alternativediner.com