“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第87回は大阪、心斎橋にあるヴィーガンレストラン｢しぜんバル パプリカ食堂 Vegan(CASA de COMIDAS La PAPRICA Vegan)｣をピックアップ。

地下鉄四つ橋線、四ツ橋駅から徒歩2分ほどの好立地に店舗を構える｢しぜんバル パプリカ食堂 Vegan｣は、2014年2月にオープン。｢たべて、のんで、きれいになる｣をコンセプトに掲げ、ヴィーガン(完全菜食)、マクロビオティック(玄米菜食)、ローフード(酵素栄養学)のメソッドをベースに、肉、魚、卵、乳製品に加え、加工食品や精製された白砂糖、農薬を使った野菜、化学調味料や過剰な添加物、そして遺伝子組み換え食品を一切使用せず、自然栽培と有機栽培の野菜を使用した100%ヴィーガン仕様のメニューを提供している。身体に優しいばかりか、食べるほどきれいになる“魔法の食事”を謳うのには理由があり、それは店主である中井純一氏の経験に基づいている。元々、BARやイタリアン、洋風居酒屋などの飲食店を経営していた中井氏は、2012年に大腸ポリープの除去手術を経験。幸い悪性(がん)ではなく、良性のポリープだったため手術自体は簡単なものだったが、それをきっかけに毎日の飲食の大切さを痛感したのだという。そこから、食にまつわる書籍や映像を片っ端から見て学び、食を通した健康とは何かを模索する日々が続く。そして、“飲食”という行為そのものが、自身の健康はもとより、畜産動物福祉の実態や世界規模での深刻な環境問題に深く関わっている事実を目の当たりにして、自然な食事(ヴィーガン オーガニック)の大切さに行き着いた。｢しぜんバル パプリカ食堂 Vegan｣の成り立ちには、中井氏の実体験に基づいた研究や学習の集積が活かされているのだ。

お店はランチタイムとディナータイムの2部営業で、シグネチャーのハンバーガーやピザ、パスタ類に加えて、大豆ミートの唐揚げや精進カキフライをメインとした定食類は昼夜を問わず提供。また、ディナータイム限定で提供されるマクロビオティック前菜3種やメイン、パスタなど全5品から成るベジコースも人気が高い。事前に相談すれば、グルテンフリーやネギ、ニンニクなど五葷を除いたメニューにも対応可能。フードメニュー以外にも豆乳ソフトクリームをはじめ、豆腐のベイクドチーズケーキ風やオーガニック チョコレートブラウニーなど、植物性食材のみで作ったヴィーガンスイーツの充実ぶりも見逃せない。