“MEAT FREE MONDAY” HOMECOMING VEGAN SICILIAN PIZZA

Text_SWAG H.

"MEAT FREE MONDAY”
HOMECOMING
VEGAN SICILIAN PIZZA

NY名物のファストフードを植物性食材で再現した,
ヴィーガンでも楽しめる特製“シチリアンピザ”。

LIFE STYLE Oct 17, 2022

Text_SWAG H.

“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第66回は、下北沢駅と三軒茶屋駅のほぼ中間、淡島通り沿いに店舗を構える｢HOMECOMING VEGAN SICILIAN PIZZA(ホームカミングヴィーガンシチリアンピザ)｣をピックアップ。

2022年1月にオープンした｢ホームカミングヴィーガンシチリアンピザ｣は、ニューヨーク州ロングアイランドの名物であるシチリアンピザをヴィーガン仕様で提供するお店。シチリアンピザとは、イタリアではなくニューヨーク発祥の庶民的なピザでスクエアな形と分厚い生地が特徴。お店の共同経営者に名を連ねるフランシス氏とキャサリン氏は、プライベートでもパートナーの間柄だ。ニューヨーク出身でヴィーガン歴25年のフランシス氏と、日本でモデルとして活動後、2013年にアメリカへと移住したキャサリン氏はニューヨークで出会う。菜食主義が広く浸透している地で、ヴィーガンでも制限せずに様々な料理を楽しんでいるのを実際に体感したキャサリンは、生まれ育った日本でもヴィーガンフードの良さをもっと知ってもらいたいとの想いが高じて｢ホームカミングヴィーガンシチリアンピザ｣を開業することとなった。

日本ではまだまだ馴染みの薄いヴィーガンフードを老若男女、幅広く楽しんでほしいという願いから、年齢層を問わないポピュラーな商品構成とお手頃な価格を重視。その甲斐もあって、顧客の6～7割はノンベジのお客さんで、近所に住む人のリピーターも多いという。菜食主義以外のお客さんを惹きつけているのが、その満足感の高さだ。ヴィーガンだからといって“優しい味”だけではなく、動物性に負けない風味や食感にこだわっている。しっとりもちもちとした生地は一般的なイースト菌ではなく、サワードウ種の自家製酵母を採用。コロナ禍で日本に戻れなくなった際、ニューヨークにある自宅で試作した酵母の種をわざわざ飛行機で持ち帰ったものだという。また、日本ではヴィーガンフード用の材料が手に入りにくい為、自家製の食材で代用。完成までに数ヶ月を要した特製ヴィーガンチーズは、有機豆乳をベースに手作りしたもので出来立てのトロトロ感や、冷めた状態での食感も動物性のチーズを忠実に再現した。他にも出来るだけオーガニックな食材にこだわるなど、安心、安全への配慮は細部にまで行き届いている。

Marinara Pizza ¥600[Slice] ¥1,750[Medium Size] ¥2,100[Large Size]

マリナーラソースとヴィーガンチーズ、オレガノだけで作った定番ピザ。飽きのこないシンプルな味わいは、生地本来の美味しさをより引き立てる。スライス1枚から購入可能。

Caprese Pizza ¥2,400[Medium Size] ¥2,900[Large Size]

トマトソースとヴィーガンチーズ、さらに自家製ジュノベーゼによる三位一体となった味わいがポイント。ホールサイズは焼き上げに30分かかるので、事前に電話もしくはネット予約でご注文を。

Meatball Pizza ¥2,600[Medium Size] ¥3,100[Large Size]

大阪、心斎橋にある｢Slices Cafe and Bar(スライスズカフェアンドバー)｣の自家製ヴィーガンミートボールを使用。旨味を凝縮したドライトマトと爽やかなオレガノが、コクのあるミートボールと相性抜群。

Pepperoni Pizza ¥2,500[Medium Size] ¥3,000[Large Size]

こちらも｢スライスズカフェアンドバー｣特製のヴィーガンペパロニを使用。ガーリックがしっかりと効いており、チリペッパーやチリフレークをトッピングすると、よりパンチのあるテイストに。

ピザと並ぶ主力商品がハンドメイドの焼き菓子だ。カシューナッツをベースとしたヴィーガンバターをはじめ、クッキーに挟むチョコレートアイスなど、その多くを自家製にこだわっている。自身も｢甘いものが大好き｣と語るキャサリン氏の手作りとあって、口にする人が物足りなさを感じないようしっかりとした甘さが特徴だ。

Ice Cream Cookie Sandwich ¥600

自家製チョコレートアイスをバニラクッキーで挟んだ一品。凍ったアイスとクッキーの硬さのバランスを考慮して、材料の配合や焼き加減など、細かく調整して仕上げた。

Salted Chocolate Chunk Cookie ¥ 350

クッキーの看板商品。外側はカリッと中は柔らかいチュウイータイプのアメリカンクッキーをヴィーガン仕様にアレンジ。表面のクリスタルソルトが、ほどよい塩みと甘さの絶妙なバランスを生み出す。

商品はテイクアウトと｢Wolt(ウォルト)｣を使ったデリバリーがメインだが、店内に小さなベンチも備えられているのでその場でサクッと食べることもできる。また、お店の壁に寄りかかったり、腰掛けて食べるのもウェルカムと公言する、その気取りのなさもローカルの人に愛される一因といえよう。オーナーが幼少期から慣れ親しんだ味をヴィーガン向けに再現した特製シチリアンピザを食べに、ぜひ1度足を運んでみてはいかがだろう。