2017年6月にオープンした｢バロン｣は、目黒区役所にほど近い駒沢通り沿いに店舗を構えるファラフェルとヴィーガンソフトクリームを中心としたお店。シンプルで覚えやすい店名は、フランス語のバレエ用語で“飛んでいるときの軽い動き”を意味する｢Ballon｣と、ヴィーガンフードの軽やかさを結び付けて名付けられたもので、子供から大人まで気軽に楽しめるサスティナブルなファーストフードを提供する。肉、魚、卵や乳製品といった動物性食材を一切使用しない100%ヴィーガンを謳っているが、“身体に良くてちゃんとおいしいもの”を広めたいとの言葉通り、ヴィーガンやオーガニックを声高に主張する前に、最も力を入れるべきは“おいしさ”であると語る。どんなにヘルシーで、いくら環境に配慮していても、それ自体が美味しくなければヴィーガンというカルチャーは根付かないという危機感から、素材選びにはじまり、作る過程や見た目など、すべてに妥協を許さない。まず、“おいしさ”が先にあり、その上で身体にも良くて環境に優しいのが理想であり、このお店をきっかけにオーガニックやヴィーガンを少しでも身近に感じてほしい、というのが｢バロン｣の目指すところでもある。

お店のシグネチャーメニューは、野菜をふんだんに使ったファラフェルサンド。ファラフェルとは、ひよこ豆をすり潰して油で揚げた中東発祥のコロッケのようなもの。｢バロン｣では、ファラフェルに人参や紫キャベツのマリネ、舞茸のグリル、ヴィーガン仕様のマッシュポテト、揚げ茄子、トマト、グリーンカールを組み合わせ、練りゴマを使ったタヒニソースと唐辛子ベースの調味料、アリッサを合わせてピタパンで挟んだサンドウィッチとして提供する。野菜や調味料はできるだけオーガニックにこだわり、パン以外の具材はすべてお店で手作りしたもの。調理法や味付けの異なる7種の野菜とほっくりとしたファラフェルで、噛む度に違った味や様々な食感が楽しめる。プレーンなファラフェルサンドに加え、不定期でカレー風味やスパイシーなテイストなどの限定メニューを展開する他、サラダボウルやトマトスープなどのサイドメニューも充実している。

ファラフェルサンドと並ぶ看板メニューがソフトクリームだ。乳製品や砂糖不使用のヴィーガン仕様で、有機栽培豆乳、メキシコ産アガベパウダー、自然栽培の甘酒、モンゴル産天日塩などの原料をもとにお店で手作りしたもの。チョコレートやキャラメルナッツ、ラズベリーなどの定番ソースから抹茶や黒蜜きな粉といった和風フレイバーまで、常時9種類のトッピングを用意。トッピングもすべて手作りにこだわっており、食物アレルギーを持つ人でも安心して楽しむことができる。