“MEAT FREE MONDAY” HAMANOYA PARLOUR

Text_SWAG H.

"MEAT FREE MONDAY”
HAMANOYA PARLOUR
SHIBUYA

多くの人に愛された看板メニューを受け継ぎ,
ヴィーガン仕様へと進化させた令和の純喫茶。

LIFE STYLE Jul 25, 2022

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“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第57回は、渋谷パルコ地下のレストランエリア、カオスキッチン内にある純喫茶｢はまの屋パーラー渋谷店｣をピックアップ。

後楽園や帝国ホテル内など、都内4店舗を展開する｢はまの屋パーラー｣は、もともと45年余り有楽町の地で近隣住民やビジネスパーソンらに愛されてきた昔ながらの喫茶店。残念ながら2011年に閉店することになったものの、後を受けた企業がその趣深い佇まいに惚れ込み、創業者夫妻からレシピを受け継いで、内装もほとんど手を加えることなく2012年に再オープンすることになった。中でも今回紹介する渋谷店は、昼間は喫茶店、夜は新宿2丁目で人気を集めるミックスバー｢Campy!bar(キャンピーバー)｣として、昼と夜で営業形態の異なる独自のスタイルで2019年にオープン。喫茶店としての伝統を守りながら、渋谷という土地で新たなことに挑戦したいという想いから生まれたのだという。

｢はまの屋パーラー｣では、10年前の再オープン時に先代から受け継いだメニューを提供する上で、もう1度素材のあり方を見直したという。パンは安心、安全な植物性のものを使うだけではなく、ストレスのかからない平飼いの鶏から生まれた卵や、地球環境や動物保護に寄与する農園のコーヒーを使うなど、アニマルウェルフェア的な観点を取り入れる中で、他に何かできることはないかと模索してきた。その過程で、｢はまの屋パーラー渋谷店｣に隣接し、キッチンをシェアするヴィーガン居酒屋｢真さか｣の影響もあってヴィーガンメニューの提供を思い付く。現在では、ヴィーガンサンドやヴィーガンカツサンドなど、一部のメニューが植物性由来の食材のみで作られており、菜食主義のみならずノンベジにも人気を博している。

ヴィーガンカツサンド ¥800

大豆ミートを使ったボリューム満点のカツサンド。カリッとした衣とジューシーな大豆ミート、さらにシャキッとした新鮮なキャベツの相性が抜群。

ヴィーガンサンド(きゅうり/ヴィーガン玉子) ¥850

シンプルなきゅうりのサンドウィッチは、辛子マヨネーズが味のアクセントに。ヴィーガン玉子のサンドは、卵を一切使っていないのにとろっとした食感とコクのある味わいが特徴。

看板メニューのサンドウィッチと並んで人気なのが、ヴィーガン仕様のカレーだ。マイルドでコク深い味わいは、辛さが苦手な方でも楽しめるのに加え、ルーには様々な野菜がたっぷりと溶け込んでいるので栄養価も高い。

ヴィーガンカツカレー ¥1,400

カシューナッツを使ったまろやかなルーと、大豆ミートのごろっとした食感のスパイシーなルーの2種盛り。食べ応えのあるヴィーガンカツと自家製の福神漬けが添えられている。

はまの屋ブレンド ¥500

自社農園で作られたハワイコナを使用したブレンドコーヒー。苦味と甘味のバランスが良く、コク深い味わいは、先代から受け継いだもので10年以上変わらない。

もちろん、純喫茶ならではのクリームソーダや自家製プリンといった、ヴィーガン以外の人でも楽しめるメニューも健在だ。宗教の戒律や異なる食の嗜好を持つ者同士が同じテーブルを囲み、昔懐かしい喫茶店の空気感を共有できるのも、時代の流れにヴィヴィッドに呼応する渋谷の店ならではといえよう。創業から半世紀に渡り、愛され続けてきた伝統的な味とその古き良き佇まいを、ぜひ堪能してみてはいかがだろう。