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“まさかこれが”と驚かせるヴィーガン料理の数々!
全メニューが植物性食材のみで作られた居酒屋。
LIFE STYLE Aug 1, 2022
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第58回は、すべてのメニューが植物性食材のみで作られる渋谷のお店「ヴィーガン居酒屋真さか」をピックアップ。
渋谷パルコのフードエリア、カオスキッチン内にある「ヴィーガン居酒屋真さか」は、2019年11月にオープン。居酒屋にある定番メニューがすべて植物性の食材で作られていたら、誰もが「まさか?!」と思って楽しんでもらえるのでは? との想いから誕生した(他にも、店主が単純に“坂”が好きだったことや、お店周辺にスペイン坂やオルガン坂などがあったことも由来しているらしい。詳細については90年代末のネット黎明期のWEBデザインを模したユニークなホームページでご確認を)。そのため、ヴィーガンに向けたある種、選民的な料理ではなく、それを知らずに口にしたとしても「美味しいね。これって植物性だったんだ!」と初めて気付くような、まずは“美味しさ”ありきのサイクルを大切にしていると語る。
ヴィーガンもノンベジも関係なく楽しめる場所目指してオープンしたとあって、提供されるのは唐揚げや餃子をはじめ、おでんに揚げ出し豆腐など、大衆居酒屋然とした馴染みのあるメニューが並ぶ。そこには、あえて王道的な分かりやすいメニューにすることで、植物性であってもその味や見た目が変わらないことを伝えたいという自信の程が伺える。また、最初に“美味しさ”を知ってもらうという正攻法のアプローチを通じて、その先にある環境問題や気候変動に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいのだという。
居酒屋の魅力のひとつに、和、洋、中といったジャンルに捉われない雑多的なメニュー構成があるが、「真さか」もご多分に漏れない。白湯スープと麻辣スープで楽しむ火鍋や麻婆飯といった本格的な中華料理があったかと思えば、酒のアテになりそうな和風パスタやシメに最適な塩むすびまである。もちろん、動物性食材を一切使っていないことを考えれば、まだまだヴィーガンが有する可能性の広がりを実感させる。
居酒屋という日本独自の文化を通じてヴィーガンを伝えるという試みは、菜食主義の裾野を広げるだけでなく、インバウンドの受け皿という意味でも実に理に適っている。とはいえ、マーケティング主導ではなく、植物性だけでも美味しい料理ができることを顧客に伝えたいというシンプルな想いからこの業態に行き着いたというのが正しいのだろう。日本ではまだまだ浸透しきれていないヴィーガンというカルチャーを根付かせる上でも「ヴィーガン居酒屋真さか」の存在は、大きな一助となるに違いない。
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコB1F
TEL 03-5422-3020
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