一方で、ハードコアバンドのギタリストとしての顔を持つ山口氏は、シーンの中にアルコールやドラッグはもちろん、煙草や快楽目的のカジュアルセックスもしないストレイトエッジや、禁欲的な宗教主義を信仰したクリシュナなど、音楽を通じた思想からのライフスタイルを送る人が多かったことや、自身の海外ツアー中に知り合った仲間たちの考えや生き方に触れるうちに、彼らがヴィーガンの食事を楽しみながら、ごく自然な選択肢として生活の中に取り入れていることに強く影響を受けたという。それをきっかけに自ら作ったヴィーガン料理を、ライブイベントなどで提供するようになったのだが、海外のバンドが来日した際などヴィーガンのメンバーが食事をできる店が極端に少なく、また男性が満足できるお店がなかったことなど、次第に日本におけるヴィーガンに対する理解や浸透の低さを痛感することになる。そこで、せっかく日本に来てくれたバンドのメンバーたちに日本での食事を楽しんで欲しいという想いから、ヴィーガンバーガーの店を構想。その後、イタリアンレストランやオーガニックカフェ、さらにヴィーガン向けのコンサルティングなどを行う会社などで研鑽を積み、晴れて念願だったバーガーショップをオープンさせた。

｢ライチャスバーガー｣が提供するメニューは、すべて100%プラントベースのヴィーガン仕様。肉や魚に加え、乳製品や卵、動物性の出汁などを一切使用しない、植物性の素材だけで作られている。ソースやパティはすべて手作りによる自家製で、食感や見た目はお肉のハンバーガーにできるだけ近づけながら新鮮な野菜をたっぷりと使い、素材本来の味や風味をしっかりと感じられるように工夫を凝らしている。また、味のパンチや食べ応えのあるボリュームを意識し、男性でもしっかりとした満足感を得られるのも特徴だ。

また、ハンバーガーには欠かせないポテトフライにもこだわりが。上質な菜種油で揚げたポテトは、ジャガイモの素朴な味をシンプルに楽しめるものと、サウザンドソースやヴィーガンチーズなどをトッピングしたジャンクなテイストの２種類を用意。ドリンク類もノンアルコールビールやコーラにジンジャーエール、烏龍茶など各種取り揃えている。