“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第80回は、日本橋小伝馬町にある旗艦店をはじめ、京都や福岡など全国6店舗を展開するアメリカンヴィーガンベイクショップ｢ovgo Baker(オブゴベイカー)｣をピックアップ。

“環境や私たちの未来にやさしく、誰でも食べられること”をモットーに掲げる｢オブゴベイカー｣は、クッキーを中心に、マフィンやバナナブレッドなどのプラントベースの焼き菓子を販売するお店。｢ovgo(オブゴ)｣という名前は、Organic、Vegan、Gluten-free as Optionsからそれぞれ頭文字をとって名付けられたもので、100%プラントベースはもちろん、可能な限りオーガニックや国産の食材にこだわった商品作りを行っている。創業者の溝渕由樹氏は、学生時代から子供たちの貧困問題に取り組むNGO団体への参加や途上国支援に携わるなど、社会問題や環境問題に関心を持っていたという。大学卒業後は大手商社で法務部に配属され、北中南米の貿易やベンチャー投資に関わった後、｢DEAN & DELUCA(ディーン&デルーカ)｣に転職。異業種で様々な経験を積んだ後、2019年に独立し、小学校からの女友達2人とかねてからの夢であった起業を実現させた。ヴィーガンベイクショップという業態を選んだのは、独立する前にアメリカや南米のお菓子を巡る旅を続けていた際、食分野での環境負荷軽減という視点でプラントベースドフードに着目したことがきっかけとなった。美味しいものが大好きな人、身体によくて安心なものを食べたい人、アレルギーを抱える人や糖質制限を行っている人、宗教上の禁忌によって食事制限を強いられている人、そしてヴィーガンやベジタリアン。そんなあらゆる背景や趣味、嗜好を持つ人々が美味しそうにクッキーを食べて笑顔になる様子が彼女の頭の中に自然と広がったのだという。