世界最高峰のフレンチレストラン｢TROISGROS(トロワグロ)｣の秘密に迫るドキュメンタリー映画｢至福のレストラン/三つ星トロワグロ｣が、8月23日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下他にて全国公開される。

本作は、｢パリ・オペラ座のすべて｣(2009)や、｢ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス｣(2017)などを手掛け、アカデミー賞名誉賞を受賞するなど、映画界の巨匠として知られるフレデリック・ワイズマン監督が、94歳にして初めて料理芸術の世界にカメラを向けたドキュメンタリー。美しい樹々と湖に囲まれたフランスの村、ウーシュにあるレストラン｢トロワグロ｣のすべてに魅了されたワイズマンが、自ら撮影を熱望して作品化されたという。同レストランは、親子3代にわたってミシュランの三ツ星を55年間守り続け、星の評価とは独立するかたちで持続可能な活動において業界の最先端を行くレストランを表彰する“グリーンスター”にも輝く、まさしく世界最高峰の名店である。

印象派の絵画を思わせる美しい森の奥にあるのは、建築家のパトリック・ブシャンが建てた、自然と溶け合うモダニティあふれるレストラン。カメラは、オーナーシェフ3代目のミッシェルと4代目のセザール、さらにスタッフたちの終わりのない食への追求の日々を捉えていく。 ときとして厨房に立ち入り、シェフと料理人らによって肉や魚などの食材が手際よく調理され、美しく盛り付けられてゆく様子など、一切無駄のないプロフェッショナルな仕事を克明に捉えることで、同じ空間に鑑賞者を誘い、クリエイティブな瞬間を追体験させる。映し出されるのは、何もメニューが創造される瞬間だけではない。そこに至るまでの調理する過程や、スタッフの食事風景、さらにマルシェやオーガニックの農園や牧場、チーズ工場へ足を運び、永続可能な農業を軸としたライフスタイルである“パーマカルチャー”に取り組む様子を記録していく。

2022年からスタートした撮影と編集を経て完成した本作は、世界各国の手厳しいメディアからも｢最初から最後まで魅惑的だ」(ニューヨーク・タイムズ誌)、「レストランがスペクタクルな舞台のようだ」(ル・モンド誌)、「ワイズマン映画史上、いつにも増して素晴らしい！」(ロサンゼルス・タイムス誌)、「近年のワイズマンにおける芳醇な最高傑作」(スクリーン誌)などと絶賛。第58回全米映画批評家協会賞ノンフィクション映画賞を始めとする数々の誉れ高きドキュメンタリー映画賞を独占することとなった。