NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT DEC, 2024
長きに渡って世界中でカルト的な人気を集めた,
ブラジルの伝説的クィア ギャングムービーが公開。
ENTERTAINMENT Jul 12, 2024
1973年の初公開以来、世界中でカルト的な人気を集め続けたブラジル映画「デビルクイーン」が、8月10日(土)よりシアター・イメージフォーラムをはじめとする全国の劇場にて日本初公開される。
本作は、1964年から85年まで、20年以上にわたって続いたブラジルの軍事独裁政権下で、奇跡的に誕生した異端にして伝説のクィア・ギャング映画である。ギャング、同性愛者、ドラァグクイーン、娼婦など、軍事独裁政権下のブラジルにおいて最も疎外されたマイノリティの人々を、強烈なサウンドと極彩色に彩られた美術、暴力とクィアネスを融合して描いた本作は、1974年にカンヌ国際映画祭出品されると瞬く間に観客を魅了。ブラジルを代表する新聞「O GLOBO」によると、ニュー・ジャーマン・シネマの旗手であるドイツの天才映画監督になぞらえて“ラテンアメリカのファスビンダー”と、本作を監督したアントニオ・カルロス・ダ・フォントウラに対する賞賛が送られたという。
その後も熱狂的なファンに愛されながらも、長きに渡って世界的上映の機会に恵まれることはなかった。しかし、制作から50年目の節目となる2023年に、待望の4Kレストア版として復活。同年、ベルリン国際映画祭で上映されると、「アシッドロックの旋律に乗って殺し合うスコセッシ的モンタージュ」、「色彩あふれる陶酔的なカーニバル」などと改めて絶賛を浴び、オリジナルを知らない若者を中心に圧倒的な支持を集めることになった。
物語の舞台は、ブラジルのリオデジャネイロ。デビルクイーンと呼ばれるその人は、ヴィヴィッドな色のアイシャドウを塗ったまぶたから鋭く光る視線で、リオデジャネイロの裏社会を支配している。部下のギャングたちに恐怖を、自分の王国の “ドールズ” にキャンディをバラまき、愛用のジャックナイフで脚をシェーブし、裏切り者を容赦無く切り裂く。ある日、グッドルッキンなお気に入りが警察に追われていることを知ると、スケープゴートとしてキャバレーシンガー・イザのヒモ、世間知らずのべレコを巻き込むが、事態は思わぬ方向に動きはじめる……。
ある時は恐怖で組織を支配するギャングのボスとして、またある時はスウィートな女王として狂気とチャーミ ングさを見事に同居させたデビルクイーンを快演したのは、ブラジルの伝説的俳優、ミルトン・ゴンサルヴェス 。また、俳優業の傍ら、パートタイム シンガーとして数多くの名盤に携わったボサノヴァのミュースのひとり、オデッチ・ララが キャバレーシンガー役として出演している。
ブラジル映画史の中で最も抑圧的だった時代の検閲をくぐり抜け、世界中の映画祭で観客を熱狂の渦に巻き込んだ伝説的名作「デビルクイーン」を、この機会にぜひお見逃しなく。
8月10日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
監督、脚本:アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
撮影:ジョゼ・メデイロス
編集:ラファエル・フスト・ヴァルヴェルヂ
美術、衣装:アンジェロ・ヂ・アキー ノ
音楽:ギリェルメ・マガリャンイス・ヴァス
メイクアップ:カルロス・プリエト
プロデューサー:ロベルト・ファリアス、アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
出演:ミルトン・ゴンサルヴェス、オデッチ・ララ、ステパン・ネルセシアン、ネルソン・シャヴィエル他
1973年|ブラジル|100分|カラー
原題:A RAINHA
配給、宣伝:ALFAZBET
alfazbetmovie.com/devilqueen