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バレンシアガからLGBTQIA+への理解と
支援を目的としたカプセルコレクションが発売。
FASHION Jun 4, 2021
バレンシアガは、6月に世界中で開催される「Pride 2021」を記念し、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、 トランスジェンダー、クィア、クエスチョニング、インターセックス、アセクシュア……(LGBTQIA+)の認知度と受容を促進するカプセルコレクションを発売する。
Pride(プライド)は、世界各地で行われるLGBTQIA+の権利について啓蒙を促し、その文化を讃えるイベントやパレードの総称。1969年にニューヨークで起きたゲイバーへの警察の理不尽な取り締まりに対して、同性愛者が抗議の声をあげたこと(ストーンウォールの反乱)をきっかけに翌年、初めてのパレードが行われた。この連帯は、世界中に広がり、今では日本を含めた世界各地で様々なイベントが開催されていることから、6月は「プライド月間」とされている。
バレンシアガが発表した今回のカプセルコレクションでは、“Gay Pride Balenciaga 2021”というバーシティスタイルのレタリングを施したベースボールキャップ、Tシャツ、パーカなどがラインナップ。一部のスタイルには、LGBTQIA+の尊厳とその社会運動を象徴するレインボーフラッグが取り入れられており、このディテールはメンズとウィメンズのアンダーウェアのウエストバンドやソックス、ブレスレット、ショルダーストラップ付きコインパースにもに施されている。また、マグネットのメタルプライドブローチには、この理念との結束を表すループ状のリボンピンがあしらわれた。商品の売り上げの15%は、LGBTQ+の若者のための自殺防止および危機介入の世界的な組織である The Trevor Projectの支援に充てられる。The Trevor Projectでは、電話やチャットなどでトレーニングを受けた専門のカウンセラーが、24時間年中無休で対応し、危機への介入と自殺防止プログラムを提供している。
折しも、日本では「LGBT理解増進法案」の精査を目的とした自民党の会議で、男性出席者から「道徳的にLGBTは認められない」や、「人間は生物学上、種の保存をしなければならずLGBTはそれに背くもの」といった問題発言があり、SNSを中心に多くの批判が殺到した。加えて、同法案に組み込まれていた「差別は許されない」という文言について、「行き過ぎた差別禁止運動に繋がる」などの保守派からの反発もあり、今国会での提出が見送られるという経緯もあった。LGBTQIA+への理解と受容の必要性は、あらゆるマイノリティへの無関心や無理解が先鋭化された先には、差別に加えて命に優越をつける優生思想があり、相模原で起きた障害者施設殺傷事件などの痛ましい事件に繋がることは歴史が証明している。バレンシアガのこうしたアクションが、悩める若者のセーフティネットになるだけでなく、生まれてきたときの性別と性自認が一致したシスジェンダーにとってもLGBTQIA+の人たちが抱える悩みや問題に目を向けるきっかけになることを願いたい。
コミュニティへの関与と社会問題への意識を向けるというブランドのコミットメントを強調する「BALENCIAGA PRIDE 2021 CAPSULE」コレクションは、バレンシアガ 青山をはじめとする一部直営店とオンラインストアで販売される。
TEL 0120-992-136
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