NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2026
全人口のわずか0.1%。49歳以下の農家たちの
姿を通して,「食」の未来に迫るドキュメンタリー。
ENTERTAINMENT Oct 9, 2026
私たちの毎日の「ごはん」の向こう側で生きる、日本全国の若き農家たちにフォーカスした長編ドキュメンタリー「百姓、わらう。」が、ポレポレ東中野他にて公開中。
本作は、マニュアルのない自然を前に、観察と創意工夫を重ねる「最後の“野生の知恵”を持つ人たち」を訪ねる旅の記録であり、自らの頭で考え、孤独にならず互いの知恵を分かち合って生きている、そんな農家たちのタフな生きざまに触れるものである。本作に登場するのは、49歳以下の若き農家たち。農政が迷走し、農家を取り巻く状況が厳しさを増す中で、彼らは自らを“絶滅危惧種”と笑う。実際に、最新統計によると、49歳以下の農家は日本の人口のわずか0.1%である。
世間一般の消費者は、農業に対して「きつくて儲からない」、「高齢化でかわいそうな弱者」といったイメージを抱くかもしれない。しかし、北は北海道、南は熊本まで、スクリーンに映し出される彼らは、その誤った固定観念と旧弊なパブリックイメージを鮮やかに裏切っていく。最新科学を駆使し、目に見えない土の中の微生物の力を引き出して、週休1.5日、夕方6時には仕事を終わらせて子供とお風呂に入る有機農家。170頭の牛と1億円の借金を抱えた機械のような大規模酪農から思い切った放牧へ舵を切り、牛を半分の80頭に減らしたことで、労働時間を激減させ家族の笑顔を取り戻した酪農家夫婦。かつてない農業の危機だ、食料安保だと世間が騒ぐその中心で、彼らは静かに、そして心の底から豊かに笑っている理由を、丹念な取材を通して探っていく。
監督を務めたのは、前作「百姓の百の声」(2022)で、農業における様々な問題と未来に繋がる可能性を、農家たちとの対話を通じて描いた柴田昌平。今回、何百年もかけて先祖たちが積み上げてきた作物の土台となる「土」の世界をより“深く”掘り下げ、若き農家たちの未来を阻む農政の“浅さ”に警鐘を鳴らす。同時に、消費者やメディアの農業への無関心さと無理解についても自省を促す。
理不尽な自然と向き合い、自らの知恵で100年先の未来へと命を繋ぐ生産の現場と、消費社会の無理解という深い断絶。それでもすべての喜怒哀楽を飲み込んで、心の底から豊かに笑う“絶滅危惧種”たちの姿は、加速度的に変容していく社会を生きる鑑賞者たちに、再生へのタネを授けてくれるだろう。
9月26日(土)より、ポレポレ東中野他にて全国順次ロードショー
監督:柴田昌平
出演:全国の49歳以下の農家
製作、著作、配給 : プロダクション・エイシア
2026年/日本/138分/DCP・ブルーレイ/ドキュメンタリー
www.100sho.info