“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.ではこのメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第4回は、ニューヨークでは名店との呼び声も高いヴィーガンバーガーショップ｢SUPERIORITY BURGER｣をピックアップ。

2019年に東京、原宿にオープンした｢SUPERIORITY BURGER｣は、ニューヨーク発のヴィーガンバーガーショップの日本第1号店。オーナーシェフを務めるブルックス・ヘッドリーは、パンクバンドのドラマーというユニークな経歴を持つが、ミシュランで星を獲得したイタリア料理店｢デル・ポスト｣ではパティシェを務め、レストラン界のオスカーとも称される｢ジェームス・ビアード賞｣を受賞するなど、その実力は折り紙付き。彼が生み出すオリジナリティあふれるメニューは、従来のヴィーガンフードのイメージを払拭する満足感の高さから、菜食主義者だけでなく幅広い層から支持を集めている。

ハンバーガーの主役となるパティは、キアヌや玉ねぎ、マッシュルームに様々なスパイスを加え、成形するまで丸1日を要する手間暇をかけたもの。バンズは提携のベーカリーで特注したものを使用しており、具材はもちろん、マヨネーズやソースに至るまで、乳製品、卵、動物性食材を一切使わないヴィーガン仕様となっている。また、ニューヨークのお店では毎日のように新メニューが開発され、ボードに手書きで貼られた“SPECIAL”メニューの中には、販売からわずか4時間で売り切れてしまうものもある。こちらの東京店では、ハンバーガー以外のサラダやスープも含めてニューヨークのお店で定番化した人気メニューを中心に、“SPECIAL”のスタイルを踏襲した日本独自の商品も提供される。

加えて、｢ヒップな生活革命｣、｢Weの市民革命｣(共に朝日出版社)などの著作で知られる、文筆家の佐久間裕美子がプロデューサーとして携わり、ニューヨークと日本の架け橋になっていることは、マーケティング主導による時代の空気やカルチャーの表層を体良く掬ったお店ではないという圧倒的な信頼感にも繋がっている。“ストレートエッジ”に象徴されるパンクやハードコアの気高い精神が、ヴィーガニズムに帰結したというのは少々こじつけかもしれないが、それでも“Do it Yourself”というパンクスに通底するマインドは、独創的なメニューの端々に見てとれるはずだ。