“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.ではこのメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第3回は、世界中のベジタリアンやヴィーガンによる口コミサイト｢Happy Cow」で、“ベスト ヴィーガン レストラン”部門の第1位を獲得した自由が丘にある｢菜道 – Saido｣をピックアップ。

2018年オープンの｢菜道 – Saido｣は、肉、魚介などの動物性由来食材や、うまみ調味料、精製糖をレシピに一切使わない“フードダイバシティな新解釈の和食”を提案するコンセプチュアルレストラン。フレンチレストランや和食の店で研鑽を積んだ楠本勝三料理長は、医食同源ならぬ美食同源をキーワードに、ヴィーガンやベジタリアン対応の食材だけを使いながら、食べ応えにこだわった誰もが満足できる料理を創作する。また、様々な宗教の教えにも対応できるよう、仏教などで口にすることを禁じられている場合があるネギやニンニク、ニラといった五葷(ごくん)も使わないなど、そのこだわりは枚挙にいとまがない。そんな様々な制限がある中で生み出されるフレンチの要素を取り入れた和食料理は、世界中から訪れる舌の肥えた観光客や健康志向の女性を中心に、厚い支持を集めている。

とはいえ、肩肘を張る必要のないカジュアルな雰囲気の店内で提供されるのは、ストイックな精進料理とはまるで異なる焼き鳥やカツ丼、ラーメン、カレーといった大衆的なメニューが中心。独自の技法や卓越したテクニックを使い、味も見た目も本物と遜色ないように再現された料理の数々は、すべてがヴィーガンメニューとは思えないほどである。ランチは前菜やメインなど全5品からなるコース(¥2,200)のみ、ディナーは¥3,300～¥11,000まで4種類のコースが揃う。コースにアラカルトを追加注文することも可能だ。ドリンクもヴィーガン対応のワインや日本酒を各種取り揃えるなど、異なる嗜好を持つ人同士が一緒に居酒屋的な使い方を楽しむことができる。