FISHMANS MOVIE

本作は、2019年に実施されたクラウドファンディングの支援によって集められた1800万円超の予算をもとに、撮影と編集に2年以上の制作期間を費やして作られたものである。ceroを対バン相手に迎え、ゲストボーカルにハナレグミの永積タカシとクラムボンの原田郁子を加えた｢闘魂2019｣のリハーサルから撮影は開始され、出会いの地となった明治学院大学ソング・ライツ部室をはじめ、渋谷La.mama、渋谷クラブクアトロ、三軒茶屋クロスロードスタジオ、VIVID SOUND STUDIO、日比谷野外音楽堂など、メンバーと共にゆかりのある地を訪れてインタビューを敢行。オリジナルメンバーであり、佐藤伸治亡き後、現在もバンドを引っ張る茂木欣一など、現・旧メンバーが当時のことを振り返りつつ、関係者によって大切に保管されていた100本以上のVHSなどの素材をデジタイズ化した本邦初の映像も多数収録される。

また、1999年に逝去した佐藤伸治が遺した言葉と、メンバーや初期作品のプロデューサーを務めたこだま和文、サウンド面において重要な役割を担ったZAK、ジャーナリストの立場からバンドをサポートした川崎大助、ミュージシャン仲間であるUA、小暮晋也などの関係者による証言、さらに過去の映像と現在のライブ映像をシームレスに繋ぎ合わせてバンドの知られざる一面を明らかにする。

こだま和文

ZAK

川崎大助

小暮晋也

フィッシュマンズといえば、日本においても伝説的な存在であったが、2010年代後半に｢RATE YOUR MUSIC｣という音楽/映画のデータベースサイトから海外での人気に火が付き、世界中を対象にした史上最高の名盤ランキングでは、日本のアーティストの中で最高位を獲得するなど、ワールドワイドな評価を確立したことでも話題となった。加えて、サブスクリプションサービスの解禁も後押しとなり、今やYouTubeのコメント欄の多くが外国語で占められるなど、佐藤伸治の死後20年以上経った今なお世界中でファンを増やし続けている。当時国内においては、アルバム｢空中キャンプ｣のリリースでテクノやテックダブといったエレクトロニックミュージックを好む人たちのワードオブマウスから人気が拡大したと記憶しているので、今のロックヒーロー的な神格化には若干違和感を覚えるが、ジャンルやシーンを軽やかに横断した稀有なバンドであることに疑いようもない。ファンだけでなく、これまでフィッシュマンズについてあまり知らなかった人も、ぜひこの映画を観てその魅力の一端に触れてみてはいかがだろうか。

INFORMATION

映画フィッシュマンズ

7月9日(金)より新宿バルト9ほか全国公開予定

監督：手嶋悠貴
企画、製作：坂井利帆
出演：佐藤伸治、茂木欣一、小嶋謙介、柏原譲、HAKASE-SUN、
HONZI、関口“dARTs”道生、木暮晋也、小宮山聖、ZAK、
原田郁子、ハナレグミ、UA、YO-KING、こだま和文
配給：ACTV JAPAN/イハフィルムズ
2021｜日本｜カラー｜16:9｜5.1ch｜172分
Ⓒ2021 THE FISHMANS MOVIE

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