NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
ディオールやNasなど,様々な協業を手掛ける
芸術家,ダニエル・アーシャムの新作個展が開催。
ART Sep 20, 2022
ペロタン東京で、NYを拠点に活動する現代アーティスト、ダニエル・アーシャムの個展「31st Century Still Life」が、10月15日(土)まで開催中である。
アメリカのクリーブランドに生まれ、マイアミで育ったダニエル・アーシャムは、名門クーパー・ユニオンで学んだ後、世界的な舞踏家であるマース・カニングハムの下でステージデザインのキャリアを歩み始める。その経験の中で、ファインアート、建築、デザイン、映画、パフォーマンスの垣根を越えて活動したいという想いが芽生えていき、現在では現代アートの世界でその地位を確立。また、様々なブランドや企業との協業においてもその類稀な才能を発揮しており、これまでも、「ディオール」、「ティファニー」、「リモワ」といった世界的なブランドをはじめ、ファレルやナズ、ザ・ウィークエンドといったアーティストとのコラボレーションが行われてきた。
ペロタン東京で2回目の個展となる本展は、新作による3つの作品群が発表される。メインギャラリーには、インパスト(厚塗り)技法を用いて製作された一連の新作静物画5点を展示。人工物や図像学にまつわる独自の指標に基づき、「エアジョーダン」や「ニューエラ」のキャップといった今日的なモチーフを織り交ぜた複雑な構図を、瑞々しいインパスト技法で描き上げている。
正面窓ガラス横では、異種金属を掛け合わせた立体作品シリーズより、ブロンズとステンレスを用いた新作2点を発表。一方はギリシャ神話のヘルメス、もう一方はイタリアの貴族ジュリアーノ・デ・メディチをモチーフとした古代からルネサンス期までのアイコニックな彫刻へのオマージュ。ブロンズと光沢のあるステンレスを組み合わせた斬新な彫刻作品は、腐敗と再生の間を漂っているかのような不思議な印象を与えている。
後方のギャラリーでは、架空の考古学を題材としたシリーズより、アーシャムのシグネチャーともいえるハイドロストーン、ブルーカルサイト、水晶結晶などの地質物質で表現された映画のポスター3点を紹介。「E.T.」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「2001年宇宙の旅」を表現したもので、プロモーション用に制作されたポスターを、あたかも混沌とした状態で掘り起こされた地質鉱物結晶かのように再構築した作品に仕上げた。
古典美術の作風や技法を巧みに踏襲しながら、時代に即したエレメントを取り入れることで全く新しい作品へと生まれ変わらせるダニエル・アーシャムの新作展に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
会期:開催中(10月15日まで)
会場:ペロタン東京
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 1F
時間:12:00~18:00
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入場料:無料
leaflet.perrotin.com/view/287/31st-century-still-lifes