NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
「曜変天目茶碗」から,KAWS,VERDYまで。
アート蒐集家所有の作品が一堂に会す展覧会。
ART Jun 10, 2022
WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)では、国内屈指のアートコレクターとして知られる桶田俊⼆、聖⼦夫妻のコレクションを紹介する展覧会、OKETA COLLECTION「Mariage -骨董から現代アート-」展が開催中。
本展は、長年ファッションビジネスに携わってきた桶田夫妻が、2000年代より約20年かけて蒐集してきた骨董や現代アートのコレクションを紹介するもので、今回は前期と後期に分けた2つの全く異なるテーマで開催される。前期となる「Mariage -骨董から現代アート-」展では、桶田夫妻のコレクターとしての入り口となった骨董と現代アートを中心に、本展覧会で初公開となる作品や作家の新作を含む約40点を、「身体」「モノクローム」「カラー」の3テーマに分けて展観する。“一目惚れ(love at first sight)”のように、強くインスパイアされた作品をピックアップする桶田夫妻の審美眼を通して選ばれたのは、李朝の陶磁器や桶谷寧の「曜変天目茶碗」、北大路魯山人の「椿鉢」をはじめ、河井寛次郎、岡部嶺男といった日本を代表する陶芸家の逸品。
さらに、Futura(フューチュラ)、KAWS(カウズ)、五木田智央など、現在に至るアートブームの大きなうねりを生み出す一端となった国内外の人気作家に加え、近年アート市場において注目を集めるVERDY(ヴェルディ)やTIDE(タイド)などのストリートカルチャーを出自とするアーティスト、さらにダニエル・アーシャム、チャバララ・セルフといった現代アーティストたちの作品だ。そこには国や年代、作風や素材も異なる多種多様なアートピースをひとつの空間で“Mariage(マリアージュ)”することで、作品の新たな魅力を発見する機会を鑑賞者に提供したいという、桶田夫妻の想いが込められている。
また、彫刻家 名和晃平の代表作である「PixCell-Deer#48」のみを展示した特別な空間や、鑑賞者が鏡に映り込むことで作品が完成するマンゴ・トムソン「November 14, 2016 (The End is Near)」など、作品の世界観に没頭できるユニークな展示デザインに加え、桶田夫妻がコレクションにまつわるエピソード紹介や作品を解説する音声ガイドなど、趣向を凝らした演出も用意されている。アート熱が盛り上がるに連れ、オークションの落札価格や市場価値の高騰など、とかく投資的な目線で語られることも多い現代アートだが、普段は知ることのできないコレクターのアートへの愛情やパーソナリティに触れることは、作品の理解を深め、新たな視点に気付かせてくれる一助になるはずだ。
なお、会期は7月3日(日)まで。本展に続く、後期展覧会 OKETA COLLECTION 「YES YOU CAN -アートからみる生きる力-」展は、8月6日(土)から10月16日(日)までの開催が予定されている。