サーフィン映画のバイブルと謳われ、日本でも大ヒットを記録した1976年制作のドキュメンタリー映画｢メニイ・クラシック・モーメンツ｣が、7月6日(土)より新宿K’Sシネマ他にて全国公開される。

ビル・デラニーが手掛けた｢フリーライド｣(1977)と並び、サーフィンカルチャーを作り上げた傑作として知られる｢メニイ・クラシック・モーメンツ｣。サーファーの誰もが持っている、一生忘れることができない鮮烈な一瞬を描いた作品であり、公開から約半世紀たった今でもサーフムービーの金字塔として世界中で愛され続けている。

本作は、世界初のプロサーファーであり、1999年に掲載されたサーフィン専門誌｢SURFER MAGAZINE｣における“20世紀で最も影響力のあるサーファー トップ25”にも選出されたレジェンド、ショーン・トムソンのバックドアでの完璧なチューブライディングで幕を開ける。ただ、作品を通じてビッグ・ウェーバーにしか乗りこなせない巨大な波は登場せず、またテクニカルなトリックにフォーカスするものではない。監督のゲイリー・ケイポが、｢海と一体になるサーフィンの美しさやサーフィンを通して生まれた友情やカルチャーを残したかった｣と語っているように、後世に名を残すバテンス・カルヒオハラニ、デーン・ケアロハ、マーク・リデルの3人のサーファーを中心に、マリブやオーストラリア、カリフォルニア、南アフリカなど、世界中にある美しい波に乗る様々なサーファー達の姿をありのままに追っていく。

後に、｢ラスト・サムライ｣(2003)や｢ダイ・ハード4.0｣(2007)などのセカンドユニット撮影監督を務めるなど、 ハリウッドでも活躍することになるゲイリー・ケイポの映像表現はもちろん、数々のディズニー作品でアートディレクションを手掛けたビル・パーキンスによるアニメーションパート、さらにハワイアンロックバンド、カラパナのサウンドトラックにも注目。それらが織り成す完璧な調和が、アスリート的な緊迫した世界とは正反対とも言える“ひとつのことに夢中になる喜び”や、サーフィンの根源的なスピリットを表す重要なエッセンスとなっている。