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“サーフトリップ”という言葉を生んだ伝説的な
サーフムービーが4Kリマスター版として蘇る。
ENTERTAINMENT May 22, 2024
サーフムービーの原点にして金字塔的作品「エンドレス・サマー デジタルリマスター版」が、7月12日(金)より新宿ピカデリー他にて全国公開される。
本作は、“サーフトリップ”という言葉を生んだ、終わらない夏と完璧な波を求めた旅の物語を記録したドキュメンタリー映画である。全米の主要都市では1966年に初公開され、日本においては「終わりなき夏」という邦題で1968年に劇場公開。初公開から56年もの月日を経てこの夏、4Kデジタルリマスター版としてのリバイバル公開が決定した。
監督と撮影を手掛けたのは、撮影当時26歳の映画監督、ブルース・ブラウン。そして、後にダウンレールやスピード・シェイプを開発するなど、現代サーフボードの生みの親として知られる21歳のマイク・ヒンソンと、高校を卒業したばかりの18歳、ロバート・オーガストがW主演を務めた。彼らは1台のカメラとサーフボードだけを持って、世界中を巡る。その旅路は、未知なる場所での撮影に予測できない困難の連続だが、新たな体験は好奇心とユーモアに満ち溢れていた。様々な人々との出会いがあり、初めての地で貪欲に波を追う。セネガルで誰も乗ったことのない波に乗り、ガーナでは子供たちにサーフィンを教え、ナイジェリアではヒッチハイク、赤道を超えて南アフリカのケープタウンからダーバン、セントフランシス岬へ。オーストラリア、ニュージーランドで地元のサーファーたちと交流し、タヒチ、ハワイへ波を求めて巡る旅。それはまさにサーファーにとって究極の夢である。 多くの人の冒険心を掻き立て、人生に影響を与え、バイブルとして愛され続けるサーフィン映画の金字塔はこうして出来上がったのである。
公開当初から大きな人気を獲得したが、良質な波を求めて世界中のスポットを巡る「サーフトリップ」という概念を誕生させるなど、後世に様々な影響を及ぼしたことからエポックメイキングな作品となった。今回のリバイバル上映にあたって、リリースに寄せられた映画評論家の森直人氏によれば、まだサーフィン文化が到来していないセネガルやガーナでの地元の人々との交流など、本作は文化人類学的な側面を備えたロードムービーとしても楽しめるものであるという。
加えて、映画のタイトル部分のサンセットからイメージされたアイコニックなポスターデザインは、当時のカリフォルニアサーファーのバイブルでもあった「Surfer Magazine」のデザインを手掛け、ビートルズやボブ・ディランのアートワーク、さらに1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックの公式ポスターを担当した巨匠、ジョン・ハマーズヴェルドが担当。サウンドトラックを手掛けたカリフォルニアのバンド、ザ・サンダルズのサーフサウンドも含めて、レイドバックした独特のムードも本作のエバーグリーンな世界観の構築に一役買っている。
スクリーンを覆い尽くす世界中の風景と美しい波が、観る者を冒険の旅へと誘う「エンドレス・サマー」を、ぜひお見逃しなく。
7月12日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
製作、監督、撮影、編集、ナレーション:ブルース・ブラウン
音楽:ザ・サンダルズ
キャスト:マイク・ヒンソン、ロバート・オーガスト
1964年|アメリカ|カラー|DCP|5.1ch|90分|原題:THE ENDLESS SUMMER|字幕翻訳:小泉真祐|G 鈴正・フラッグ共同配給 宣伝:フリークスムービー
© Bruce Brown Films, LLC
ENDLESS-SUMMER.JP