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ABOUT OCT, 2024
“鍵盤の皇帝”と謳われた偉大なジャズピアニスト,
オスカー・ピーターソンに迫るドキュメンタリー。
ENTERTAINMENT Jan 29, 2024
2025年に生誕100周年を迎えるジャズ史上最も偉大なピアニストのひとり、オスカー・ピーターソンの波乱万丈な人生に迫るドキュメンタリー映画「オスカー・ピーターソン」が、 2月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開される。
オスカー・ピーターソンは、1925年カナダ ケベック州モントリオール出身のジャズピアニスト/作曲家。モントリオールの黒人コミュニティで幼少の頃からクラシック音楽を学び育つ。1949年にニューヨークのカーネギー・ホールにてアメリカ進出を果たすと、その陽気なキャラクターや聴く者をハッピーにするリズムとハーモニー、そして繊細かつ流麗なアドリブ表現に象徴される超絶技巧で、“鍵盤の皇帝”との異名を誇る。かのルイ・アームストリングをして“4本の手を持つ男”と称されるなど、ジャズ界屈指のテクニシャンとして今なお多くのミュージシャンに影響を与え続けるだけでなく、故郷のカナダでは、新1ドルコインの肖像になるなど英雄として讃えられている。
本作は、オスカーの順風満帆とも言える音楽人生と、明るく魅力的なピアノスタイルの裏にある3度の離婚や家族愛、68歳で発症した脳梗塞からの奇跡の復活劇など、その波乱に満ちた人生と音楽を綴ったドキュメンタリー作品である。本人による多数のインタビュー映像に加え、ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、ハービ ー・ハンコック、ブランフォード・マルサリス、ジョン・バティステ、レイ・チャールズ、クリント・イーストウッドといったジャンルと世代を超えて彼の音楽に影響を受けてきたミュージシャンやクリエイターが語り尽くすオスカーの人物像、さらに妻や娘ら家族による、2007年に亡くなるまで晩年の貴重な証言を交えて彼の知られざる強さや魅力について多角的に迫っていく。
そして、オスカー・ピーターソンを語る上で避けては通れない、黒人であるゆえの長きに渡る人種差別との戦いにもフォーカス。1962年にオスカーが作曲した「自由への賛歌」は、60年代に巻き起こった公民権運動のアンセムとなり、その音楽的、社会的影響は、近年さらに分断が深まるアメリカで今なお響き渡り続けると共に、多くのマイノリティを勇気付けているクラシックとなっている。
不世出の天才ピアニスト、オスカー・ピーターソン。その光と影に包まれた音楽人生を、ぜひ本作で追体験してみてはいかがだろう。
2月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開
監督:バリー・アヴリッチ
出演:ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、ハービー・ハンコック、ブランフォード・マルサリス、ジョン・バティステ、ケリー・ピーターソン(妻) 他
字幕:山口三平
2020年|カナダ制作|81分
oscarpetersonmovie.com