NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT JUL, 2025
坂本龍一の生前最後のピアノ演奏を記録した,
コンサート映画公開! 自ら選曲した20曲で構成。
ENTERTAINMENT Apr 9, 2024
2023年3月に逝去した音楽家、坂本龍一の最初で最後の長編コンサート映画「Ryuichi Sakamoto|Opus」が、4月26日(金)より109シネマズプレミアム新宿で先行公開、5月10日(金)に全国公開される。
本作の撮影が行われたのは、坂本が亡くなる約半年前の2022年9月。演奏収録の際に撮影された本人映像のコメントによれば「2020年の6月に癌であることが分かり、表立った活動はしておらず現在も治療を続けています」と自らの現状を告白。そして、「かなり体力も落ちてしまって、通常のコンサートは難しいんですよね。今回は1曲ずつここで撮影して編集し、1つのコンサートとして発表することにしました」と、この長編コンサート映画を撮影するに至った経緯を話している。
撮影は、坂本が「日本でいちばん音のいいスタジオ」と評する、東京のNHK509スタジオで8日間にわたり行われた。スタッフは坂本が全面的に信頼を寄せた約30名が集結。「Filmmaker Magazine」誌において新進気鋭の映画人が選ばれる「25 New Faces of Independet Film」にも選出された映像作家、空音央が監督を務め、撮影はニューヨークを拠点に活動し、ビヨンセやポール・マッカートニーなどの作品に携わる撮影監督、ビル・キルスタイン、編集には「100年と希望」(2022)、「きのう生まれたわけじゃない」(2023)などのドキュメンタリー作品を手掛けてきた録音技師/編集者、川上拓也、そして録音/整音には、フィッシュマンズやボアダムス、ジェフ・ミルズなどのレコーディングやライブに参加し、昨年、京都で開催された「Ambient Kyoto 2023」ではサウンドディレクターを務めたZAKらが名を連ねた。
スタジオには、2000年に坂本のためにカスタムメイドされ、長年コンサートやレコーディングの現場で愛用されたヤマハのグランドピアノとそれを演奏する坂本の1人だけ。選曲は、坂本自らが行っており代表曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」をはじめ、同名映画の劇伴を手掛け、アジア人初のアカデミー賞 作曲賞を受賞した「The Last Emperor」、最後のオリジナルアルバム「12」に収録された「20220302」、ファン人気が高くコンサートでも度々演奏された「Bibo no Aozora」や「Aqua」、そして初めてピアノソロで演奏されたYMOの「Tong Poo」など、これまでのキャリアの軌跡を辿る20曲で構成される。モノクロの4Kフォーマットカメラ3台を使用し、通常のコンサートでは見ることのできなかった坂本の表情やペダルを踏みこむ音と共に、全身で奏でられる鍵盤の音や光の揺らめきまでもが静謐な世界のなかで克明に捉えられている。
本作のオフィシャルサイトには、坂本の逝去に際して公開された声明文の中でも引用されていた古代ギリシアの医師、ヒポクラテスの言葉「Ars Longa, vita brevis.Art Long life is short(芸術は長く、人生は短し)」が見出しに用いられている。創作者が死してもなお、後世にまで残り続けるであろう芸術の一端を本作で体感してみてはいかがだろう。
4月26日(金)より109シネマズプレミアム新宿先行公開、5月10日(金)全国公開
音楽、演奏:坂本龍一
監督:空音央
撮影監督:ビル・キルスタイン
編集:川上拓也
録音、整音:ZAK
製作:空里香、アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ
製作会社:KAB America Inc. / KAB Inc.
配給:ビターズ・エンド
日本|2023|モノクロ|DCP|103分|Atmos &5.1ch
© KAB America Inc. / KAB Inc.
・Lack of Love
・BB
・Andata
・Solitude
・for Johann
・Aubade2020
・Ichimei- small happiness
・Mizu no Naka no Bagatelle
・Bibo no Aozora
・Aqua
・Tong Poo
・The Wuthering Heights
・20220302 – sarabande
・The Sheltering Sky
・20180219(w/prepared piano)
・The Last Emperor
・Trioon
・Happy End
・Merry Christmas Mr.Lawrence
・Opus – ending