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ABOUT OCT, 2024
「パリ,テキサス」ロケ時の写真や,名作の上映も!
「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」展開催。
ENTERTAINMENT Feb 20, 2024
現代ドイツを代表する映画監督/写真家、ヴィム・ヴェンダースの展覧会「ヴィム・ヴィェンダースの透明なまなざし」が、N&A Art SITEで3月2日(土)まで開催中。
1945年ドイツ、デュッセルドルフ出身のヴィム・ヴェンダースは、1967年から映画監督としてのキャリアをスタートし、長編映画デビュー作「ゴールキーパーの不安」(71)で第32回ヴェネツィア国際映画祭 国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も「ことの次第」(82)、「パリ、テキサス」(84)、「ベルリン・天使の詩」(87)、「ミリオンダラー・ホテル」(00)など数々の名作を手掛け、国際的な評価を確立した。近年では、主演を務めた役所広司が、カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した最新作「PERFECT DAYS」(23)も、国内外で大きな話題に。また、大の親日家としても知られ、85年には小津安二郎監督のオマージュ作品「東京画」を制作している。
中目黒にあるN&A Art SITEで開催される本展では、ヴェンダースが“究極のロードムービー”と称する「夢の涯てまでも」(91)のクライマックスシーンから生み出された、鮮烈な色彩の電子絵画作品「Electronic Paintings」(91)や、「パリ、テキサス」ロケ時にヴェンダース自らが撮影し、写真家としての才能を世に知らしめたアメリカ中西部のランドスケープ作品「Written in the west」(83)シリーズなどを展示。また、1990〜91年に東京を訪れたヴェンダースに密着したドキュメンタリー番組「ヴィム・ヴェンダース イン 東京」の上映や、当時の貴重な資料を展示しアーティストとしての活動を歴史的に考察する。
加えて、「恵比寿映画祭 2024」の地域連携プログラムの一環として、2月20日(火)から3月1日(金)(2月26日、2月29日を除く)、3月20日(水、祝)の10日間にかけて「夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版」が恵比寿にある東京都写真美術館で上映される他、トークイベントなども併せて開催される。なかでも「夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版」は、構想14年の歳月を経て完成させたものの、試写段階で約9時間だった作品を、契約上の理由から監督の意思に反して2時間半に編集して興行的には振るわなかったもの。それでも、ヴェンダースは納得のいくロングバージョンとして発表するため再編集の権利を得て、5時間のディレクターズカット版として美術館などのイベントで自主上映し始めたもので、今では完全な傑作として世界中のメディアに絶賛されたいわくつきの作品でもある。
インターネットも普及していなかった30年以上前から、映画の制作過程において最先端の映像技術を駆使し、その後に登場するハイテク機器を劇中でも予言していたヴェンダース。当時の人々が考えていた未来より、遥かに複雑化した課題を抱える現代社会において、テクノロジーから生まれる表現とは何か、そして私たちがこれから歩む未来を生きるための新たな視点を鑑賞者に提示する「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし」展を、ぜひお見逃しなく。
会期:開催中(3月2日まで)
会場:N&A Art SITE
東京都目黒区上目黒1-11-6
時間:12:00~17:00
*2月24日(土)のみ10:00~17:00
休館日:日、月、祝日
nanjo.com/wim_wenders_lucidgaze/
*展示作品は一部を除き販売いたします。
*作品のご購入は会場でのお申込制です。
(メール等でのお申込はいただけません)