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伝説のジャズレーベル,ブルーノート誕生秘話と,
革新的なサウンド形成の裏側に迫るドキュメント。
ENTERTAINMENT Mar 4, 2022
ブルーノート・レコード誕生の背景を、創設者である2人の青年の姿を通して描いたドキュメンタリー「ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリー」が、3月11日(金)より角川シネマ有楽町他にて1週間限定でロードショーされる。
本作は、第二次大戦中ナチスドイツの迫害から逃れるた為にアメリカへと渡った2人のユダヤ系ドイツ人の青年が、ニューヨークの街で本場のジャズと出会い、ブルーノートを立ち上げ、成功へと導くストーリーを、貴重な映像や様々な関係者による証言、再現アニメーションなどを織り交ぜ描いたものである。
“ライオンと狼(ウルフ)”……。ミュージシャンたちから親しみを込めてそう呼ばれたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフ。10代の頃に生まれ育ったベルリンの街で出会った彼らは、当時のアメリカ音楽を好んで聴いていたという共通点もあり、すぐに打ち解け、親友となった。しかし、1933年以降、ユダヤ教徒の2人にとってナチス ドイツで生きていくことが困難となり、アルフレッドが一足先にアメリカへと渡る。いつか、2人で大好きなジャズのレコード会社を立ち上げたいと夢を語り合ったこともあり、その後、フランシス・ウルフも渡米。フランシスが乗ったのは、ヒトラーが実権を握る秘密警察、ゲシュタポの取り締まりを受けずにドイツから出航する最後の船だった。
アメリカの地で無事に再会を果たした2人は、アルフレッドが設立したブルーノート レコードの経営に邁進する。スカウトマン兼プロデューサーを務めたアルフレッドの先見性や、気心の知れたレコーディングエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーの手腕も重なり、これまでにない独自のサウンドを構築。一方、フランシスの撮ったポートレートは、グラフィックデザイナー、リード・マイルスのアイデアによって見事なジャケットデザインに変わるなど、サウンドとアートワークの両面で革新性を帯びたブルーノートは、唯一無二のジャズレーベルへと成長していく。そして、時は公民権運動以前。黒人に対して厳しい人種差別があった時代に生きたミュージシャンにとってブルーノート レーベルは一筋の希望となった。演者と創設者、人種も国籍も違う彼らは差別に対する苦悩とジャズへの愛によって結び付き、喜びと悲しみを共有していたのである。
作中には、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ソニー・ロリンズ、クインシー・ジョーンズなどの名だたるジャズマンたちと、アフレッドの元妻でありジャズクラブ、ヴィレッジヴァンガードのオーナーを務めた故ロレイン・ゴードンといった豪華な関係者も多数登場し、今なお世界中のジャズファンに愛される伝説のレーベルの誕生ヒストリーや独自のレコーディングスタイルとサウンド形成の裏側を、その証言と共に紐解いていく。本作の製作総指揮を務めたのは、「パリ、テキサス」や「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」などで知られる巨匠ヴィム・ヴェンダース。監督はドイツで数多くのドキュメンタリーを手掛けるエリック・フリードラーが務めた。
なお、本作は昨夏、映画配信サービスJAIHO(ジャイホー)にて配信されたもので、配信終了後に寄せられた劇場公開を望む多くの声に応える形で今回の1週間限定公開が決定した。大きなスクリーンで鑑賞できるまたとない機会となるだけに、ぜひお見逃しなく。
3月11日(金)より角川シネマ有楽町他1週間限定上映
製作総指揮:ヴィム・ヴェンダース
監督:エリック・フリードラー
出演:アルフレッド・ライオン、フランシス・ウルフ、ルディ・ヴァン・ゲルダー、マイケル・カスクーナ、ケネス・ウルフ、ロレイン・ゴードン他
出演ミュージシャン:ソニー・ロリンズ、ロン・カーター、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、オーネット・コールマン、ルー・ドナルドソン他
配給:JAIHO
2018|ドイツ|118分|5.1ch|カラー・モノクロ|ビスタ
bluenotestory-japan.com