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歴史的名作を斬新な展示空間で体感する,
「モネ―光のなかに」展が開催。
ART Jun 17, 2021
神奈川県箱根町にあるポーラ美術館では、印象派を代表するフランスの画家、クロード・モネの作品を特別な展示空間で鑑賞できる「モネ―光のなかに」(会場構成:中山英之)展を現在開催中。
本展は、モネの作品を国内最多となる19点収蔵するポーラ美術館が、モネ作品の新たな魅力に迫る試みとして企画したもので、会場構成を気鋭の建築家、中山英之が手掛けた。展示されるのは、代表作である「睡蓮の池」(1899年) 、「ルーアン大聖堂」(1892年)の他に、「セーヌ河の日没、冬」(1880年)、「ジヴェルニーの積みわ ら」(1884年)、「国会議事堂、バラ色のシンフォニー」(1900年)など、セーヌ河や駅、橋、パリ郊外の景色を描きながら、戸外の輝く光や大気のゆらぎを捉えた作品11点が並ぶ。
今回、陽光と色彩を求めて戸外に赴いたモネの作品を鑑賞するのに理想的な空間として、“会場全体を自然光に限りなく近い質の光で満たされた空間に置く”というコンセプトのもと、中山英之の手によって展示空間が設計された。特別なテキスタイルを使い天井全体を膜で覆うと共に、会場内にしつらえた120台のLED照明によって柔らかな光の理想とする「曇りで日の出の2時間後」という状態を再現。また、屋外で作品を描いたモネに合わせて足音のしない絨毯を会場に敷き詰め、音が拡散して“コツコツ”という靴音が響かない屋外の状況に近づける、“時空を超えて、モネと一緒にヨーロッパを旅行しているような空間”を目指し、カーブした壁が作り出す自然な導線によって時間や空間の連続性を意識するなど、微に入り細に入り繊細な心遣いや仕掛けが施されている。さらに、自然光を意識した結果、作品を保護するガラスに天井からの光が反射してしまう問題に対しては、正対する壁の裏側に濃い色を選び、天井からの光を打ち消すのに何十もの配置パターンをCGで検証するなど、現代の最新テクノロジーを駆使して、100年以上前の名作が生み出された時間と今この瞬間をシームレスに繋いでみせた。
叡智と経験をもとにゼロから作り出された斬新な展示空間で、モネ作品の新たな魅力に触れられる「モネ―光のなかに」(会場構成:中山英之)展は、2022年3月30日(水)まで開催中。なお、本展に合わせて現代音楽家のニコ・ミューリーがSpotifyでオリジナルプレイリストを公開中。ビョークやシガー・ロスなどのポッポミュージックからクラシックまで網羅した壮大なサウンドスケープと共に、モネの目に映った光の風景を楽しむことができる。
会期:開催中(2022年3月30日まで)
*2021年9月6日(月)-9月10日(金)は展示替えのため休館
開館時間:9:00~17:00 (最終入館は16:30)
入館料:大人 ¥1,800、シニア割引(65歳以上)¥1,600(他の割引との併用不可) 大学、高校生 ¥1,300、中学生以下 無料
(団体15 名様以上割引あり)
会場:ポーラ美術館
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
TEL:0460-84-2111
www.polamuseum.or.jp/monet_inthelight/
ニコ・ミューリー Spotifyプレイリスト
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