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「試展−白州模写 <アートキャンプ白州>とは
何だったのか」,市原湖畔美術館にて開催。
ART Nov 1, 2022
千葉県にある市原湖畔美術館では、「試展−白州模写 <アートキャンプ白州>とは何だったのか」が開催中。「アートキャンプ白州」は、舞踊家である田中泯の呼びかけのもと、1988年より長年にわたり展開され、今も伝説のように語られている。
1985年、身体/労働/自然の本質的で密接な関係に憧れ、仲間たちと共に山梨県白州に移り住み、「身体気象農場」を開始した田中泯。3年後の1988年、“芸能と工作”の実験場を目指し、田中泯の呼びかけで「白州・夏・フェスティバル」はスタートした。バブル経済が始まり都市への一極集中が加速する中、日本の割れ目のキワにある白州を舞台に、都市と農村という二分方を越え、その境界に新しい文化と生き方を探り、舞踊、芝居、音、美術、物語、建築、映像、農業など、ジャンルを超えた人々が世界中から集まった4日間の「祭」。やがてそれは生活と創造の過程に力点を置いた「アートキャンプ白州」(1993-1999年)、「ダンス白州」(2001-2009年)と形を変えながら20年以上にわたり毎夏開催されてきたのである。
神社の神殿、境内、林の中や路上、田んぼ、様々な場所で昼夜行われる数えきれないほどのイベント。農業やワークショップを通して知る大地との関わり。国も職業も世代も超えた人々の交流と協働。そこで、パフォーマー、芸能者、美術家、建築家、音楽家、また多くの若者や子供たちは何を体験したのか。本展は、学生時代からボランティアとして“白州”に関わり続け、現在国内外で活躍する彫刻家の名和晃平をゲストキュレーターに迎え、田中泯の全面的な協力のもとに実現。膨大な資料、写真、映像などのアーカイブ、野外美術工作物「風の又三郎」(70年代より田中泯がコラボレーションしてきた榎倉康二、高山登、原口典之を中心に結成された野外美術プロジェクト)のはじまりに参画した美術家たちのトリビュート作品を通して、“白州”を照射する試みであるという。
「試展−白州模写 <アートキャンプ白州>とは何だったのか」は、2023年1月15日(日)まで、市原湖畔美術館にて開催中。会場では、田中泯のロングインタビュー、名和晃平のエッセイ、本展を企画した北川フラム館長による論考、“白州”に参加したアーティスト、建築家、音楽家、パフォーマー、ボランティアや子供たちの証言、全イベントデータなど、20年に及ぶ“白州”の軌跡を約300ページに綴った書籍も発売される。現在でも伝説のように語られ、人々の心に生き続ける“白州”を知る貴重な機会となるであろう本展の開催にあたり市原湖畔美術館は、「コロナ禍にあらわれる自然の叛乱、地球環境の危機、都市や資本主義の限界に直面する今、“白州”の経験は、私たちに多くの示唆を与えてくれることでしょう」と、書籍にメッセージを残している。
1945年生まれ。66年よりクラシックバレエとアメリカンモダンダンスを10年間学び、74年より独自の舞踊活動を開始。78年のパリ秋芸術祭での海外デビュー以降、ジャンルに捉われない独創性溢れるスタイルで世界的なダンサーとして多大な支持を集める。85年に山梨県の山村へ移住し、農業を生活の礎としながら世界を舞台に活動。国内外でのダンス公演歴は、現在までに3,000回を超える。02年公開の山田洋次監督による映画「たそがれ清兵衛」でスクリーンデビューを果たし、第26回日本アカデミーショー新人俳優賞/最優秀助演男優賞、第48回キネマ旬報賞新人男優賞を受賞。今年1月に上映され、話題となったドキュメンタリー長編映画「名付けようのない踊り」では、田中泯の踊りと生き様が描かれている。
会期:開催中(2023年1月15日まで)
会場:市原湖畔美術館
千葉県市原市不入75-1
開館時間:(平日)10:00〜17:00 (土曜/祝前日)9:30〜19:00 (日曜/祝日)9:30〜18:00
*最終入館は閉館時間の30分前まで。
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
料金:一般 ¥1,000(¥800)/大高生、65歳以上 ¥800(¥600)
*( )内は20名以上の団体料金。
*中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方とその介添者(1名)は無料。
*支払いは現金のみ。
主催:市原湖畔美術館
協賛:サントリーホールディングス株式会社
特別協力:田中泯
ゲストキュレーター:名和晃平
出展作家:榎倉康二、遠藤利克、剣持和夫、高山登、原口典之、名和晃平
特別出展作家:藤崎了一、藤元明
千葉県市原市不入75-1
TEL 0436-98-1525
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