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ABOUT OCT, 2024
石岡瑛子, 田中一光, 横尾忠則 and more.
旅にまつわるグラフィック作品を集めた展示会。
ART Jun 29, 2021
福島県須賀川市にあるCCGA現代グラフィックアートセンターでは、「どこか遠くへ:グラフィックにみる旅のかたち」展が、9月5日(日)まで開催中。
本展は、CCGA収蔵の膨大なDNPグラフィックデザイン アーカイブコレクションのポスターの中から、広義において旅に関する作品を厳選して展示するものである。会場となったCCGA現代グラフィックアートセンターは、大日本印刷が設立したDNP文化振興財団によって運営されている美術館で、グラフィックデザインやグラフィックアートの優れた作品および資料を貴重な文化遺産として、次世代に継承するためのアーカイブセンターとしての機能を持つ。
今回の展示作品には、石岡瑛子や横尾忠則、亀倉雄策、田中一光などの日本のグラフィックデザインの礎を築いた先達をはじめ、服部一成、佐野研二郎、森本千絵といった現在も第一線で活躍するアーティスト、さらにジークフリート・オーデルマット、ヘンリク・トマシェフスキなどの海外勢に至るまで、錚々たる面々が名を連ねる。一口に旅といっても移動手段や目的地、旅先での体験など多くの要素が含まれており、こと広告市場においては、交通機関や観光誘致などに関する作品が多数を占め、ポスターが少なくなった現在でもなお広く目にすることがある。また、直接的には旅に関係していなくても、海外などの美しい風景の写真を用いた広告も数多く製作され、それらは遠い未訪問の地への憧れを効果的に広告表現に取り入れており、今なお記憶に残るものも多い。そのような作品が一堂に会す今回の展覧会は、鑑賞者にイマジナリーなトラベル体験をもたらしてくれるだろう。
そして、旅行はおろか遠距離の移動すらままならないこのコロナ禍においては、多彩なグラフィック作品から想起させる旅の風景が、かつての郷愁や憧れとはまた違ったある種の希望のようなものにも思えてくる。過去から現在までの優れたグラフィックデザインに触れるだけでなく、観る者を非日常へと誘い、視覚とイマジネーションを拡張させる小さな“旅”の体験ができる本展にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
会期:開催中(9月5日まで)
開館時間:10:00~17:00 (最終入館は16:45まで)
休館日:月曜日(8月9日を除く)、8月10日(火)
入館料:一般 ¥300、学生 ¥200
*小学生以下と65才以上、および障がい者手帳をお持ちの方は無料
会場:CCGA現代グラフィックアートセンター
福島県須賀川市塩田宮田1
TEL:0248-79-4811
www.dnpfcp.jp/gallery/ccga/jp/00000774