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世田谷区南烏山にある世田谷文学館では、2014年に逝去した安西水丸の足跡を辿る展覧会「イラストレーター 安西水丸」展を、9月20日(月、祝)まで開催している。
安西水丸は、1970年代より小説、漫画、絵本、エッセイや広告など、多方面で活躍した日本を代表するイラストレーター。村上春樹をはじめとする本の装丁や、「がたん ごとん がたん ごとん」などの絵本、和田誠との展覧会、執筆活動などその活躍は多岐にわたり、若い世代にとっても「POPEYE」のカバーイラストなど印象的な仕事を数多く残している。本展では、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」という安西の幼少期から晩年に至るまでの足跡を、原画と関連資料合わせて600点以上を紹介する。その膨大な仕事量に合わせて展示方法にも趣向が凝らされており、各ジャンルにおける多彩な仕事をはじめ、特に親交の深かった嵐山光三郎、村上春樹、和田誠との交流の中で生まれた作品にフォーカスを当てたものや、旅行好きの安西らしい旅にまつわる作品や旅先で出会ったオブジェなどを特別展示する。展示作品の中には、2020年末に新たに発見された小説「アマリリス」カバー原画や、村上春樹との共著「ランゲルハンス島の午後」の原画など、今回初めて公開される貴重な作品約15点も展示されるので、ファンならずとも見逃せない。
会場では、書籍以外にもオリジナルTシャツ、ポストカード、 クリアファイルやマグカップなど、安西水丸関連グッズを多数取り揃える他、東京会場限定カバー付きの展覧会公式図録も販売される。また展示会場である世田谷文学館の1階 文学サロンでは、「がたん ごとん がたん ごとん」や「りんご りんご りんご りんご りんご りんご」など、安西作の絵本をテーマにした展示パネルや絵本から飛び出てきたようなキャラクターの書割など、空想の世界を楽しむ仕掛けも用意されており、子供連れでも楽しむことができそうだ。
軽妙洒脱な筆致とモダンな色彩感覚、さらに余白の美しさを含めた巧みな構図。身近にあるものを独自の感性で表現した作品群は、観る者をユーモアと哀愁あふれる世界へと心地良く誘ってくれる。その奥深い世界をぜひ体感してみてはいかがだろうか。
会期:開催中(9月20日まで)
*混雑時入場制限あり
開館時間:10:00~18:00(展覧会入場、ミュージアムショップの営業は17:30まで)
休館日:月曜日
入場料:一般 当日 ¥900 割引 ¥720、65歳以上、大学、高校生 当日 ¥600 割引 ¥480、小、中学生 当日 ¥300 割引 ¥240、障害者手帳をお持ちの方(ただし大学生以下は無料) 当日 ¥400 割引 ¥320
*割引料金は20名以上での団体割引と「せたがやアーツカード」の割引料金です。
*障害者手帳をお持ちの方の介添え者(1名まで)は無料になります。
*各種割引については、手帳など証明できるものをお持ちください。
会場:世田谷文学館 2階展示室
東京都世田谷区南烏山1-10-10
TEL 03-5374-9111
www.setabun.or.jp/exhibition/20210424-0831_AnzaiMizumaru.html