NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT APR, 2025
過去に手掛けたポスターや監督作品などを紹介。
和田誠の業績から“映画”に焦点を当てた展覧会!
ART Dec 15, 2023
日本を代表するグラフィックデザイナー/イラストレーター、和田誠の映画に関する仕事をまとめた初の展覧会「和田誠 映画の仕事」が、国立映画アーカイブで開催中。
本展は、1960年に発売された煙草「ハイライト」のデザインや「週刊文春」の表紙イラストをはじめ、エッセイ、作詞作曲、絵本など様々な分野で数多くの業績を残し、2019年に惜しまれつつ逝去した和田誠の多岐に渡る仕事の中から映画に焦点を当てたもの。和田誠にとって、人生の友であり、創造の泉でもあった映画を、「知った、描いた、語った、集めた、撮った」という5つの切り口によって振り返り、その惜しみない“映画愛”を遺された作品と共に紹介する。
第1章「映画を知った」では、中学時代にアメリカ映画に無中になり、高校時代には国立近代美術館で開催された「世界のポスター」展(1953年)を訪れた経験から、“ポスターを作る人になりたい”と夢見た若き日の和田の原点を探求する。また、多摩美術大学在学中に映画「夜のマルグリット」(1955)の手描きポスターで当時、若手デザイナーの登竜門であった日本宣伝美術会主催の日宣美賞を受賞をしたキャリア最初期における貴重な作品を見ることもできる。
第2章「映画を描いた」は、大学を卒業後、広告制作会社に勤務する傍ら、新宿にあった日活名画座のために無償で制作したポスターなどを展示。以降、半世紀以上に渡り、映画ポスターや映画書の装丁、挿画などを手掛け、国内外の俳優、監督、映画スタッフから評論家に至るまで映画人の似顔絵を数えきれないほど手掛けることになるのだが、その膨大な仕事の中からもセレクトして紹介する。
1973年から始まった「キネマ旬報」の連載「お楽しみはこれからだ」で多くの人が知ることとなった、和田のシネフィルとしての一面に焦点を当てた第3章「映画を語った」、そして、300以上もの映画フィルムやアメリカ映画のオリジナルポスターを蒐集してきたコレクターとしての素顔に迫る第4章「映画を集めた」へと続く。後者では、和田が長年集めてきた映画関連の洋書やスチール写真といったイラストレーション制作の参考資料も併せて展示される。
そして、最終章となる第5章「映画を撮った」では、映画監督としての和田誠にフォーカス。一切の監督修行をすることなく、「麻雀放浪記」(1984)、「快盗ルビイ」(1988)、「怖がる人々」(1994)、「真夜中まで」(2001)と、4本の娯楽長編映画の監督を務め、多くの映画賞を受賞したその類稀な感性と映画への並々ならぬ情熱を紐解く。併せて、これら4つの監督作品で使われた音楽や主題歌の他、和田誠が愛したアメリカ映画の名曲の数々を鑑賞できる展示コーナーなども用意される。
生前、和田誠は映画への豊富な知識と監督経験を有しながら、“評論家”ではなく、常に“映画ファン”を自称していたという。生涯、映画を愛し続けた最高の“映画ファン”にして映画人による展覧会にぜひ足を運んでみてはいかがだろう。なお、会期中には、和田誠と親交のあった人たちをゲストに迎えたトークイベントも開催されるので、そちらもお見逃しなく。
会期:12月12日(火)~2024年3月24日(日)
会場:国立映画アーカイブ展示室(7階)
東京都中央区京橋3-7-6
時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)
*1月26日(金)、2月23日(金)は開室時間を20:00まで延長いたします(入室は19:30まで)。
休館日:月曜日および12月26日(火)~1月4日(木)
料金:一般 ¥250(¥200)/大学生 ¥130(¥60)/65歳以上、高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
*料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。
*( )内は20名以上の団体料金です。
*学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、キャンパスメンバーズの方は入室の際、証明できるものをご提示ください。
*国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」またはQRコードのプリントアウト)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
nfaj.go.jp/exhibition/makotowada2023