NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT SEP, 2024
ノンベジやヴィーガン,グルテンフリーなど,
多様な価値観を肯定するダイニングテーブル。
LIFE STYLE Mar 7, 2022
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.では、このメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第40回は、異なる価値観を持つ人同士を食で繋げるダイニングスペース「biotable.(ビオターブル)」をピックアップ。
芝浦運河を臨むリバーサイドに店舗を構える「ビオターブル」は、2021年6月にオープン。“ホームパーティ”をコンセプトに、ヴィーガンやグルテンフリー、糖質オフなど、食の趣味嗜好や宗教による禁忌なども含めた多様な価値観を持つ人がひとつのテーブルを囲み、誰に気兼ねすることもなく笑顔で食事を楽しめるようなお店を目指している。お店を運営する「ADLIVE(アドライブ)」は、もともとブライダルをメインとした広告をはじめ、WEBサイトや出版物の制作などを手掛けるクリエイティブエージェンシー。新型コロナウィルスによるパンデミックが猛威を振るったこの2年。家族と食卓を囲む、友達と集まってお酒を酌み交わす、そんな当たり前だったはずの日常が奪われる中で、ブライダルという仕事に関わっていたこともあり、予定していた結婚式も中止となって悲しむカップルを目にすることが増えたという。もちろん、会社の根幹でもあったブライダルの仕事もほとんどなくなってしまい先行きが見えない中で、あらためて自分たちがやりたいことを見つめ直した結果、これまでの集大成として「ビオターブル」をオープンする決断へと至った。“ホームパーティ”というコンセプトには、スタッフの接客も含めてホッとするような暖かさに溢れ、いつもの日常に彩りを添えてくれる空間の中で、訪れる人たちが楽しいひと時を過ごしてほしいという想いも込められている。
「ビオターブル」では、一口にパーティといってもハレの日に食べる豪華な食事ではなく、お家のご飯のように毎日食べたくなるようなメニュー提供する。無農薬野菜を中心に、グルテンフリーやヴィーガンに対応できる食材を取り揃えており、予防医学の見地に基づき栄養素をできるだけ損なわない調理法や提供方法を探求。それと同時に健康を意識した食材や調理法は、たくさん食べても罪悪感を感じさせないギルティフリーなメニューにも寄与する。すべてのメニューには、ピクトグラムやサインで使用食材の詳細を掲示し、一目で分かるように安心安全を約束するなど、ホームパーティにも通づる繊細な心遣いが、随所に見てとれる。
ランチは、メインとご飯、副菜を組み合わせたプレートメニューやパスタが中心で、100%ヴィーガンメニューもあれば、お肉がメインのメニューもある。お米は白米と雑穀米から選択でき、パスタはグルテンフリーの人向けに米粉パスタへの変更も可能だ。一方、ディナータイムはアラカルトが中心。シグネチャーの「10種のお野菜と選べる肉、選べるディップのクルクル」は、牛、豚、鳥、大豆ミートから選べるなど、ノンベジとヴィーガンが同じメニューをシェアできるような工夫も凝らされている。他のメニューも同様に、人気のから揚げは通常の鶏肉と代替肉を使ったヴィーガン仕様の2種類を用意するなど、誰もが楽しめる配慮が行き届いている。
現在はまだ準備中ではあるが、お店で提供するメニューのオンラインショッピングや、ブライダルの仕事で培った経験を活かして顧客のニーズに合わせた新たなスタイルのウエディングなども行う予定だ。また、今後は周辺地域の人々に向けた「不揃い野菜のマーケット」の開催や、子供たちの「食育ツアー」なども計画しているという。飲食店という枠組みを超えて、地域住民やコミュニティとの連動を図りながら新たな食文化を育むこともこの先「ビオターブル」が目指すものである。
手作りのホームパーティでみせるおもてなしの心と、家庭では味わえないひと手間もふた手間もかけたプロの料理。食卓を囲むすべての人たちの笑顔を呼び込む「ビオターブル」に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
東京都港区芝浦3丁目19−17 アンビエンテ芝浦 2F
営業時間:11:00〜15:00(LO 14:30) 17:00〜22:00(LO 21:00)
定休日:日曜日、月曜日
TEL 03-6809-5499
*営業時間が急遽変更する可能性がございます。詳細は公式HPをご確認ください。
biotable.jp