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「ヴィーガンブームを一過性で終わらせない」
ノンベジも満足させるヴィーガンレストラン。
LIFE STYLE Sep 13, 2021
“ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)”とは、ポール・マッカートニーとステラ・マッカートニーが提唱する地球環境保護を目的としたキャンペーン。週に1度、月曜日だけでも肉を食べない生活を皆が意識することで、畜産飼育における穀物需要の増加とそれに伴う森林破壊や砂漠化、さらには温暖化の要因でもあるメタンガスの発生を少しでも防ごうという啓蒙活動でもある。SWAG H.ではこのメッセージに共鳴し、毎週月曜日にベジタリアニズムやヴィーガニズムをはじめとする関連ニュースをお届けする。第19回は、東急田園都市線 駒沢大学駅にお店を構える人気のヴィーガンレストラン「CORI.(コリ)」をピックアップ。
ハンバーガーを中心としたヴィーガンメニューと、多彩なクラフトビールが楽しめる「CORI.」は、ヴィーガンフード専門店として今から11年前に開業。その後、フードトラックやケータリング、フードスタンドなどの業態を経て、2019年に現在の地にお店を構えた。コンセプトは“ナチュラルヴィーガンフード”。あらゆることに自然であることを指針に、無理することなく継続可能であり、ブームや一過性で終わらない普遍的な食のスタイルを提案する。オーナーを務める多良ご夫妻は、家族の病気をきっかけに“食”そのものを見つめ直し、健康だけではなく、環境や動物、農業、宗教などの様々な問題に触れていく中で、ヴィーガンフードに巡り合ったという。
ヴィーガンというスタイルに出会ったことで気付きを得た、多種多様な生き方はもちろん、思想や哲学、人種が自然と混ざり合う場所がこのお店であって欲しいと願う多良さん。そのため、自分自身が毎日食べたいと思えるものを前提に化学調味料を一切使用せず、自然な素材と調味料を吟味し、ひとつひとつ丁寧に手作りしたものを提供する。また、“一過性で終わらせない”というマインドは、メニュー作りにも通底しており、自然の味に飽きてしまい、ヴィーガンを続けられなくなる人が多いことから、菜食主義以外の人でも美味しく満足感のある料理を常に心掛けている。メインやサラダ、玄米などが盛られたプレートとハンバーガーを中心に、自家製のファラフェルボールやフムス、生春巻きなどのアラカルトメニューも充実。食材の調達や調理工程など、家庭では手軽に作るのが難しい料理を取り揃えることで、外食ならではの本格的な味と手作りの温もりやヘルシーさを両方伝えたいと語る。
デザートメニューは、すべてグルテンフリー。また、ドリンクは自家製シロップを使ったソーダやソイラテなどに加え、ヴィーガンワインや常時5タップ用意されている国産のクラフトビールが楽しめる(緊急事態宣言中のため、現在はアルコールの提供を中止)。
様々な価値観や嗜好を持つ人が、料理や空間を通じて同じように幸せを享受して欲しいという想い。それは、ストイックな姿勢や小難しい思想と結び付けられがちな誤ったヴィーガンのイメージと一線を画す。事実、駒沢にお店を構えてから3年。地元の人たちを中心に、子供連れのファミリー(ベビーカーでの入店OK)や年配の常連客など、開店当初は予想をしていなかった嬉しい広がりを見せているという。食べ物のジャンルの選択肢のひとつとしてヴィーガンフードが当たり前に存在すること。オーナーご夫妻が開業時に思い描いていた未来は、すぐそこまで近づいている。
東京都世田谷区上馬4-2-20 1F
TEL 03-6450-7556
cori-vege.com