NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT APR, 2025
カンヌ「ある視点」部⾨に選出。奥山大史監督,
池松壮亮主演の話題作「ぼくのお日さま」。
ENTERTAINMENT Sep 20, 2024
長編初監督作品「僕はイエス様が嫌い」(2019)で、サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人賞を受賞するなど、今最も注目を集めている若手映画監督のひとり、奥山大史の新作「ぼくのお日さま」が、 TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開中。
奥山大史監督にとって初の商業映画デビューとなる本作は、吃音のあるホッケーが苦手な少年と、選手の夢を諦めたスケートのコーチ。そしてコーチに憧れるスケート少女。3人の視点で紡がれる雪が降りはじめてから雪が溶けるまでの、淡くて切ない小さな恋たちの物語である。第77回カンヌ国際映画祭で「ある視点」部⾨に、日本人監督として最年少で選出。また第26回台北映画祭で「審査員特別賞」「観客賞」「台湾監督協会」のトリプル受賞という快挙を果たした。
舞台は雪がよく降る地方の田舎町。吃音のあるアイスホッケー少年タクヤは、ドビュッシーの楽曲「月の光」に合わせフィギュアスケートを練習する少女、さくらの姿に心を奪われてしまう。ある日、さくらのコーチ荒川は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似て何度も転ぶタクヤを見つける。タクヤの恋の応援をしたくなった荒川は、スケート靴を貸してあげ、タクヤの練習をつきあうことに。しばらくして荒川の提案から、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習をはじめることになる……。
夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ、荒川役を演じたのは、現在の日本映画界には欠かせない俳優となった池松壮亮。主人公のタクヤには、本作が映画主演デビューであり、アーティスト/演劇集団のEBiDAN(恵比寿学園男子部)の研究生「EBiDAN NEXT」のメンバーとしても活躍する15歳の越山敬達が起用された。そして、ヒロインの少女さくら役は、キャスト募集を知ったスケートのコーチからの勧めで応募し、100名以上が参加したオーディションを勝ち抜いた中西希亜良を抜擢。本作が演技デビューとなった中西は、フランス語、英語も堪能なマルチリンガルの13歳で、未経験とは思えない瑞々しい演技が大きな話題を呼んでいる。そして、奥山監督がこの楽曲に出会わなければこの映画は生まれなかったと語るなど、映画のタイトルにもなり、主題歌となったのが男女2人組のデュオ、ハンバート ハンバートが吃音について歌った「ぼくのお日さま」である。
イノセントな空気感を表現した詩的で美しい映像と、説明的なセリフを排した“間”の心地よさと緊張感、そして俳優陣の好演によって際立つ秀逸な脚本。様々な要素が緻密に重なり合い、ひとつの物語の世界観を構築する奥山大史監督の最新作「ぼくのお日さま」を、ぜひお見逃しなく。
9月13日(金)よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国公開
監督、撮影、脚本、編集:奥山大史
出演:越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也、山田真歩、潤浩 他
主題歌:ハンバート ハンバート
本編:90分
配給:東京テアトル
©︎ 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
bokunoohisama.com