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気鋭の監督, 山中瑶子と河合優実の初タッグで,
カンヌ映画祭でも絶賛を浴びた「ナミビアの砂漠」。
ENTERTAINMENT Sep 6, 2024
2017年に公開された「あみこ」が、史上最年少でベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品されるなど、鮮烈な監督デビューを飾った山中瑶子の最新作「ナミビアの砂漠」が、9月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にて全国公開される。
本作は、山中瑶子監督にとって、初めての本格的長編映画第一作。2017年にわずか19歳のときに自主制作した「あみこ」が、第39回ぴあフィルムフェスティバルに選出され、PFFアワード観客賞を受賞。前述したベルリン国際映画祭への出品をはじめ、香港国際映画祭、全州映画祭、カナダ・ファンタジア映画祭など、各国の映画祭で上映されると、山中の名は一躍知られることとなった。また、NYで開催された映画祭で偶然同作を鑑賞した坂本龍一は 「60年代初頭に登場したヌーヴェル・ヴァーグのような軽さと滑稽さ、痛さとテンポが感じられる」と、ゴダールやトリュフォーが台頭した映画史に残るムーブメントを引き合いに称賛。さらに「今後の作品が楽しみ。自由さの中から生まれたパワーで老若男女を問わず惹きつけるパワーがある」とまで言わしめた。
物語の主人公は、美容脱毛サロンで働く21歳のカナ。やり場のない感情を持て余したまま優しいけれど退屈な恋人のホンダと同棲生活を送っていた彼女は、自信家の映像クリエイター、ハヤシに乗り換えて新生活を始めるが、次第に退屈な世の中と自分自身に追い詰められていく。ささいな喧嘩をきっかけに転落事故を起こすなど、ストレスフルな出来事が続いてカナのリミッターは限界に達し、徐々にイライラをコントロールできなくなってしまう。ハヤシに依存する一方で、ハヤシを罵り、暴力を振るい、取っ組み合いの喧嘩をしてはまた仲直り。もがき、ぶつかり、カナは自分の居場所を見つけることができるのだろうか……?
自分の置かれた状況に懸命に抗っていく主人公のカナを演じたのは、テレビドラマ「不適切にもほどがある!」で脚光を浴びると、入江悠監督「あんのこと」での熱演も話題を呼んだ新時代のアイコン、河合優実。彼女は、まだ俳優としてデビューする以前、高校3年生の時に山中監督の「あみこ」を観て、これまでにない刺激を受けたという。実際に、河合は自ら「女優になります 」と書いた手紙を監督に渡し、「いつか出演したいです 」と伝えたというエピソードからも、両者にとっても念願のタッグが実現したことになる。また、カナの2人の恋人を金子大地と寛一郎という、これからの日本映画を牽引するであろう若き俊英が演じ、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁といった実力派が脇を固めた。劇伴は、黒沢清監督の新作「Chime」でも、歪な人間模様が織り成す得体の知らない“恐怖”を緻密な音世界で表現した渡邊琢磨が担当。プロダクションノートでは、山中監督が、 「まるで世界が終わった後か、または反対に、創世記みたいな音楽になったのだ」とコメントするほど強度の高いサウンドで、映画の世界観の構築に寄与している。
本作は既に、第77回カンヌ国際映画祭において、監督週間から女性監督として史上最年少となる「国際映画批評家連盟賞」に選出。さらに、第26回上海国際映画祭 パノラマ部門への出品が決定するなど、公開前から衆目を集めている。山中瑶子と河合優実というふたつの才能が出会って発生したケミストリーを、ぜひ劇場で体感してみてはいかがだろう。
9月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にて全国ロードショー
監督、脚本:山中瑶子
出演:河合優実、金子大地、寛一郎、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空、堀部圭亮、渡辺真起子
製作:「ナミビアの砂漠」製作委員会
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2024 「ナミビアの砂漠」製作委員会
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