NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT DEC, 2024
ニュー クィア シネマの旗手グレッグ・アラキの
代表作が待望のデジタルリマスター版で蘇る。
ENTERTAINMENT Nov 5, 2024
1990年代の“ニュー クィア シネマ”ムーブメントを牽引したアメリカの映画監督、グレッグ・アラキの代表作「ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版」が、11月8日(金)より渋谷ホワイトシネクイント他にて全国順次公開される。
“ニュー クィア シネマ”ムーブメントとは、異性愛を常識とする当時の性規範や、それを支えてきた映画のあり方に映画表現を通して抵抗したものであり、中でも自身がゲイであることをオープンにしているグレッグ・アラキはティーンエイジャーや同性愛をテーマにした作品を数多く制作し、インディカルチャーの旗手としても知られている。ロカルノ映画祭で3つの賞を受賞した「途方に暮れる3人の夜」(1987)や、カンヌ国際映画祭にてクィア・パルムを受賞した「カブーン!」(2010)といった長編映画をはじめ、近年では、監督、脚本、製作を務めたTVシリーズ「ナウ・アポカリプス ~夢か現実か!? ユリシーズと世界の終わり」(2019)や、「13の理由」(2017~18)、「ダーマー」(2022)といったNetflixドラマシリーズの数エピソードを監督するなど、今なお精力的な活動を続けている。
本作は、グレッグ・アラキ監督が10代の若者たちを描いた“ティーン・アポカリプス・トリロジー”とも呼ばれる3作品のうちのひとつで、新たにデジタルリマスターを施して劇場公開されるもの。初公開時には、そのストレートな性表現によりレーティングの都合からカットされたシーンも含まれており、今回、ディレクターズカットとして新たに蘇った。今リマスター版は、2023年に開催されたサンダンス映画祭でも上映され、「今回の映画祭で観た中で最も大胆で素晴らしい映画は28年前に作られたグレッグ・アラキの作品だった。この作品はX世代の不安や焦燥感を描いた暴力的でエロティックな衝撃作だ」(indiewire誌)と絶賛されるなど、今の私たちの感性を刺激する魅力と普遍的なパワーを放っている。
物語の舞台はアメリカ、ロサンゼルス。若いカップルのジョーダンとエイミーは、暴漢に襲われた流れ者のグザヴィエを車に乗せて助け出す。だが、感謝の素振りもなく、粗暴な言動をとるグザヴィエにエイミーは嫌悪感を抱く。しかし、途中立ち寄ったコンビニで店員とトラブルになり、グザヴィエが揉み合いの中で店員を殺してしまう。彼らは共犯者として一緒に逃亡を余儀なくされてしまい、行く当てのないの旅に出ると次第に3人の関係に変化が起きていく……。
「スクリーム」(1997)や「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007)などに出演したローズ・マッゴーワンがエイミー役を演じ、アラキ監督作の常連俳優でギタリストのジェームズ・デュバルがジョーダン役を、「グレイスランド」(1998)のジョナサン・シェックがグザヴィエ役をそれぞれ演じた。また、エイフェックス・ツインやコクトー・ツインズ、ジーザス&メリー・チェインなどの楽曲が作品を彩る。
なお、本作の公開と併せて“ティーン・アポカリプス・トリロジー”3部作のひとつであり、クィアでカオティックな若者たちの青春を描いた「ノーウェア デジタルリマスター版」も11月15日(金)よりリバイバル上映が決定。30年経っても今なお色褪せることのない両作品をお見逃しなく。
11月8日(金)より渋谷ホワイトシネクイント他全国順次公開
監督、脚本、編集:グレッグ・アラキ
出演:ローズ・マッゴーワン、ジェームズ・デュバル、ジョナサン・シェック
製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ、アンドレア・スパーリング
1995年|アメリカ・フランス|カラー|ビスタ|5.1ch|英語|84 分
日本語字幕:佐藤南/原題:The Doom Generation
映倫区分:R-15+
配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE
©1995 UGC and the teen angst movie company