NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
“この一瞬を生きている”という概念を表現した,
柿本ケンサクの写真展が清水寺を舞台に開催。
ART Jun 21, 2022
京都 音羽山清水寺を舞台にした芸術プロジェクト「FEEL KIYOMIZUDERA」の一環として、映像作家/写真家として活躍する柿本ケンサクの新作写真展「-TIME-音羽山清水寺」が、6月25日(土)より開催される。
2012年にスタートした「FEEL KIYOMIZUDERA」は、言語、人種、文化など、あらゆる垣根を超えた前衛的な表現を元に、人が一心に尽くし、無心へと近づいていくその瞬間を祈りの風景と重ね合わせ、100年先、1000年先の仏教、寺院のあり方を模索していくプロジェクト。1200年の歴史を持つ清水寺は、古来より庶民に開かれた観音霊場であり、学問と芸術の交流地点でもあった。本展では、長い歴史を経て今なお存在する普遍的な祈りの場でもあるこの地で、柿本ケンサクが時間をテーマに“今この一瞬を生きている”という概念を作品を通して表現する。
会場では、大宇宙を数千万年旅した光や時間を1枚のフィルムに閉じ込めた新シリーズ「TIME」や、清水寺の「十一面千手観音菩薩」をモチーフとする新シリーズ「KAN-NON」が発表される。これらの作品は、京都屈指の夕陽の名所であり、重要文化財にも指定されている清水寺の西門を舞台に制作されたもので、西門に注ぎ込む極楽浄土を表す夕陽を、あらかじめ撮影された写真に透かし、再び撮影することで作品を完成させている。また、昨年発表され、話題を呼んだ人工知能システムに柿本の写真を学習させて生まれたAI現像シリーズ「Time Tunnel」をさらに発展させた新作「Sky Tunnel」も展示。
柿本は永久の光を閉じ込めたこれらの作品群を通して、新たな祈りの場の創出を試みている。本展に寄せられたステイトメントは以下。
「永久の時の中で、『今この一瞬をいきている』という概念を表現したい。この世界が誕生して以来、膨らみ続けるこの宇宙と膨大な情報。そのすべては、『時間』の中に収まっています。溢れかえった豊かさという情報群に揺らぎ、惑わされて、自らが気付かない間に見えなくなってしまいます。今、私たちは、『豊かさ』を削ぎ落とし、本当に『大切なこと』を抽出する必要があるように思います。 それは自分自身を一度、分解し、極小から、再構築する作業です。表面解像度を落とし、心の解像度を高め、答えを導き出すのではなく、選択肢を広げる作品を制作しました」
また、同時期に京都 四条西洞院にあるアートコレクターの住まいをコンセプトにしたホテル「node hotel(ノード ホテル)」では、柿本の過去作品も展示されるようなので、本展と併せて足を運んでみてはいかがだろう。
会期:6月25日(土)13:00~7月10日(日)
会場:音羽山清水寺
京都府京都市東山区清水1-294
開場時間:10:00~17:30 (6月30日まで。7月1日以降は18:00まで)
展示場所:西門、経堂、成就院
観覧料:無料
*成就院は特別拝観料が別途必要(大人¥600/小、中学生¥300)
Mail:info@galleryonthehill.com
feel.kiyomizudera.or.jp