NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT JAN, 2026
絵画作品を導入に,“見逃した”現実世界へと誘う
森本啓太の個展「what we told ourselves」。
ART Jan 16, 2026
東京を拠点に活動するアーティスト、森本啓太の個展「what we told ourselves」が、KOTARO NUKAGA(天王洲)にて1月17日(土)から開催される。
大阪出身の森本啓太は、高校卒業後に単身カナダへと渡り、約15年という長い歳月をトロントで過ごした後、2021年に日本へと帰国。以降、東京を拠点に創作活動を続けている。レンブラントやフェルメールに代表されるバロック絵画や、エドワード・ホッパーなどのアメリカンリアリズムに見られる視覚言語を参照して制作されるその作品は、街灯やネオンサイン、自動販売機といった人工灯を強い明暗法で描き出し、光と影の対比を通して現代都市のありふれた風景に潜む一瞬のストーリー性を静かに浮かび上がらすものである。
KOTARO KUNAGA(六本木)で開催された前回の個展では、描かれる人物との距離を縮めることにより親密な空気感を描き出したが、本展において森本の視点は再び街角へと向けられ、名もなき市井の街角を現代社会の複雑さが交差する舞台へと変容させる。本展にキャプションを寄せた金沢21世紀美術館シニアキュレーターの野中祐美子によれば、都市を彷徨いながら場所なき場所を描き、見えなかったもの、気づかずに過ぎ去った瞬間に焦点を当てる森本の絵画は、世界を捉え損ねることでまた別の現実を想像するものだと説く。
今回の個展では、大型の絵画作品群に加え、作家にとって初めての挑戦となるインスタレーションを展示。森本作品を現実世界に延長したような展示空間は、前述した“世界を捉え損ねた”という感覚をより没入的に体験させる試みであり、鑑賞者に“何かを見逃している”という印象を促すものなのかもしれない。
会期終了は3月7日(土)。絵画やインスタレーションを通して、見逃したものを補うように観る者各々が作り上げ信じてきた物語や虚構を露わにする感覚を体験してみてはいかがだろう。
会期:1月17日(土)~3月7日(土)
会場:KOTARO NUKAGA(天王洲)
東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F
時間:11:30~18:00
休廊日:日、月曜日、祝日
*2月10日(火)特別休廊
kotaronukaga.com