NEW GENERATION, NEW WAVE
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福島の現状や混乱するミャンマーに迫った,
ドキュメンタリー「わたしは分断を許さない」。
ENTERTAINMENT Apr 8, 2021
ジャーナリストの堀 潤が、国内外の様々な社会問題を克明に記録したドキュメンタリー映画「わたしは分断を許さない」が、現在ポレポレ東中野で上映中。
本作は、2013年にNHKを退局し、フリージャーナリストとして独立した堀 潤が、東京電力福島第一原子力発電所事故後の現場をはじめ、内戦が続くシリアやパレスチナ、そして若者による独立運動が高まる香港や基地問題に揺れる沖縄など、国内外の現場での取材記録や実際の生の声をまとめたドキュメントである。今回、ポレポレ東中野での再、再上映にあたり、軍部による自国市民への虐殺が続くミャンマーの最新映像、7分50秒を加えたニューバージョンが上映されている。
「わたしには、どうしても許してはいけないと感じるものがある。それは“分断”だ」。
プロローグでそう語る堀 潤は、取材を続けて行く中でここ10年、さらに分断が深まったと感じていた。実際に福島県のいわきでは賠償金の有無や金額の大小によって、住民同士の間で分断が深まったことは取材を通して分かった事実である、またSNS等では、沖縄の基地問題に対峙する人々に「プロ市民」などの蔑称が平気で飛び交い、独立を願い体制と闘う香港のデモ隊には、何が変わるのか? と冷ややかな視線を浴びせる人が多数いることは誰もが知っているだろう。こうした冷笑主義や逆張りがきっかけとなって、それが疑心暗鬼に繋がり、分断が生まれる。その結果、本来助け合い、手を取り合う者同士の間で差別や排斥が加速していき、貧困にあえぐ者や女性、子供といった弱者はさらに虐げられていく。
堀は様々な現場でそれらを目の当たりにするとともに、かつて彼自身が図らずも分断に加担してしまった深い後悔から、対話を積み重ねていき、互いに理解を深めていくことでしか分断の手当をすることはできないと、この映画を通じて説いている。今、直面している現実と、そこで暮らし、闘う人々の声にも時には耳を傾けてみてはどうだろうか。
分断された世界の真実とそこで生まれた希望の萌芽。堀 潤監督作品「わたしは分断を許さない」は、4月16日(金)までの限定上映中。
ポレポレ東中野にて現在上映中(4月16日まで)
監督/撮影/編集/ナレーション:堀 潤
プロデューサー:馬奈木厳太郎
脚本:きたむらけんじ
音楽:青木健
編集:高橋昌志
コピー・タイトル原案:阿部広太郎
配給/宣伝:太秦株式会社
2020|日本|カラー|DCP|5.1ch|105分
www.bundan2020.com
TEL 03-3371-0088
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