NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT APR, 2021
放射性廃棄物の埋蔵をめぐる,地球の未来とは?
ドキュメンタリー「100,000年後の安全」。
ENTERTAINMENT Apr 5, 2021
東日本大震災からちょうど10年。今、改めて観ておきたい作品が「100,000年後の安全」である。
こちらの作品はマイケル・マドセンが監督、脚本を手掛けたドキュメンタリーで、2009年に公開されるやパリ国際環境映画祭のグランプリをはじめとする数々の映画祭で高い評価を博した。舞台は国連による世界幸福度ランキングで4年連続1位にも輝いた北欧の国、フィンランド。この地では世界で初めて高レベル放射性廃棄物の永久地層処分建設が国会で承認され、22世紀の完成に向けて今なお作業が続けられている。本作では国家をあげて放射性物質を人間から隔離するための政策を推進しているフィンランドの取り組みを紹介すると共に、監督自ら地下都市のような巨大施設に潜入して克明な記録を残してた。なお、タイトルにある100,000年後とは、放射能が天然ウラン鉱石レベルにまで減退するのに必要な年数であり、その時代に生きる私たちの子孫が果たして施設の危険性を理解できるのか? どのようにすれば未来に向けて確実に警告できるのか? 今それを問うたとしても途方もない年月の前では誰しもがその明確な答えを見つけることはできないだろう。とはいえ、福島第一原発の事故を経験した私たちにとって決してよその国の話ではなく、本作を観たあとには何かしらの学びや気づきなどの示唆を与えてくれるに違いない。
ドキュメンタリー作品「100,000年後の安全」は、現在アップリンクのオンライン映画館「UPLINK Cloud」をはじめ、各種動画サービスにて配信中となっている。
2009年/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア/79分
監督/脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
出演:T・アイカス, C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン、B・ルンドクヴィスト、W・パイレ、E・ロウコラ、S・サヴォリンネ、T・セッパラ、P・ヴィキベリ
配給/宣伝:アップリンク
www.uplink.co.jp