NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
ウォーホル,キース・ヘリング,奈良美智らを展示。
現代アートに魅せられた親子の個人コレクション!
ART Mar 9, 2023
田口弘氏、美和氏の親子2代にわたって蒐集してきた現代アートの個人コレクションを公開する展覧会「タグコレ 現代アートはわからんね」が、角川武蔵野ミュージアムにて開催中。
本展は現代アートと全く縁のなかった昭和のビジネスマン、田口弘氏がいかにして現代アートに出会い、引き込まれていったのか? アートとの出会いで経験した驚きや発見などを、タグチアートコレクション(以下、タグコレ)および田口氏の会社所蔵となるミスミコレクションの作品を通して追体験するものである。
タイトルにもなった「タグコレ」とは、ミスミグループ創設者の田口弘氏が集めた世界各地の現代アート作品約650点(2022年10月末時点)からなるアートコレクションの総称。田口氏はミスミの社長在職時にアメリカンポップアートを中心とした「ミスミコレクション」を築き、現代アートの企業コレクションとして我が国における先駆けとなった。その後に開始した個人コレクションでは、世界各国あるいは日本国内にもその対象を広げ、立体、写真、映像など、素材や形態を問わず幅広く蒐集。2013年より長女の田口美和氏が運営に参画し、展覧会の開催とコレクションの拡充に努めている。
今回紹介されるのは、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインといったアメリカンポップアートの巨匠から、キース・ヘリング、ライアンマクギネスなどのストリートカルチャーを出自に持つアーティスト。さらに、オスカー・ムリーリョ、トーマス・ルフ等の現代アートシーン最前線の作家に会田誠、田名網敬一、名和晃平、宮島達男といった日本の作家たち。さらに、ブラジルのグラフィティライター、オスジェメオスに至るまで、40名余りの現代アーティストの作品が一堂に会する。
また、「現代アートはわからんね」という副題が指し示す通り、かつて田口氏自身がそうであったように、「よく分からないなぁ」と現代アートを敬遠してきた人たちに、その距離を縮めてもらうことを目的にした開かれたコレクションであり、展覧会でもある。そのため、作品に添えられた基本情報のキャプションは、より詳細な内容に触れ、さらに視認性を高めて掲示、会場構成も一般的なホワイト・キューブの空間ではなく、作品だけが物質的な存在感を際立たせるように漆黒の空間で展観。さらに作品の美術史的理解を深めるための文字情報ではなく、それぞれの作品がタグコレの作品となるに至ったコレクター自身のパーソナルなストーリーや逸話を重視することで、鑑賞者に作品をより身近に感じて貰えるように工夫を凝らすなど、従来の展覧会には見られなかったような趣向が用いられている。
今や空前の現代アートブーム。著名な作品は権力者や富裕層の投機対象であり、自己顕示欲を満たす道具になり変わっている節もある。しかし、タグコレに通底するのは、多くの人に現代アートを見てほしい、楽しんでほしいという純粋な想いだ。各地の美術館に作品を貸し出したりするだけでなく、学校の体育館で展覧会を行ったり、作品のカードゲームを作ったりするのもすべてはその想いに突き動かされている。年代や作風も異なる様々な作品を鑑賞し、ときに「現代アートはわからんね」と感じながらも、何か1点でも心に引っかかるものや、印象に残る作品があれば、それはタグコレの理念が伝わった瞬間といえるだろう。
会期:開催中(5月7日まで)
会場:角川武蔵野ミュージアム 1階 グランドギャラリー
埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
開館時間:日~木 10:00~18:00|金、土 10:00~21:00
最終入館:閉館の30分前
休館日:第 1、3、5 火曜日
チケット価格:
[オンライン購入](tix.kadcul.com)
一般(大学生以上)¥1,800/中高生 ¥1,300
保護者同伴の小学生、未就学児は無料
[当日窓口購入]
一般(大学生以上)¥2,000/中高生¥1,500
保護者同伴の小学生、未就学児は無料
*保護者1名につき小学生2名まで無料でご入場いただけます。
TEL:0570-017-396(受付時間:10:00~17:00)
*1階グランドギャラリー以外にも、ミュージアム各フロアで「タグコレ」を展示します(有料エリアとなる 4階スタンダードエリアを含みます)。
*4階スタンダードエリアへの入場は、別途「KCM スタンダードチケット」が必要です。「1DAY パスポート」チケットであれば、1階グランドギャラリー、4階スタンダード
エリアともに入場できます。
*休館日、開館時間は変更となる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
*「1DAY パスポート」チケットなどでも本展覧会をご覧いただけます。詳細は公式サイトでご確認ください。
*展示替えなどにより、日程によっては一部施設に入場できない場合がございます。
*展示内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。
*本展は会場内が非常に暗くなっております。足元には十分にご注意いただきますよう、お願い申し上げます。
kadcul.com/tagukore
会田誠、カラ・ウォーカー、アンディ・ウォーホル、オスジェメオス、加藤泉、グレゴリー・クルードソン、小泉明郎、デイヴィッド・サーレ、さわひらき、 ラキブ・ショウ、インカ・ショニバレ CBE、スーパーフレックス、田名網敬一、ミカリーン・トーマス、奈良美智、名和晃平、西野達、ピーター・ハリー、潘逸舟、ウラ・フォン・ブランデンブルク、キース・ヘリング、デイヴィッド・ホックニー、ライアン・マクギネス、テレサ・マルゴレス、アド・ミノリーティ、 宮島達男、ヴィック・ムニーズ、ザネレ・ムホリ、オスカー・ムリーリョ、森村泰昌、ロイ・リキテンスタイン、トーマス・ルフ、ケヒンディ・ワイリー、渡辺豪(五十音順)