NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
ダミアン・ハースト,ローゼンダール,チームラボなど,
NFTアートが生み出す意味と価値を探る展覧会。
ART Mar 20, 2023
過去から現在に至るまでの芸術の歴史からNFTアートを考察する展覧会「超複製技術時代の芸術:NFTはアートの何を変えるのか?—分有、アウラ、超国家的権力—」が、表参道にあるGYRE GALLERYで3月24日(金)から開催される。
NFTとは、「non-fungible token」の頭文字をとったもので、デジタルデータをオンライン上の完全に独立した固有の価値がある資産として流通させるものであり、ブロックチェーン技術によるデジタルな「オリジナル」の証明システムである。現在では、オンライン上にあるあらゆる非物質的な情報に所有権を付与し資産化するものとして活用、認知されるまでに成長を遂げているが、その起源のひとつは、2014年5月にニューヨークの芸術家、ジェニファー&ケヴィン・マッコイが生み出した作品「Quantum」まで遡る。本作は、投機のためではなく、誕生、死、そして再生を表現するための抽象的な芸術作品のコードとしてNFTアートが生まれたことを意味するものであった。
「Quantum」から10年近くの時を経て、デジタルな複製物に物理空間の特権であった「唯一性」が人工的に与えられるものとなったNFT。その可能性については、作家やギャラリストなどの当事者たちも含めて未知数であり、未来を試す試金石のようなものとして従来の芸術を信じてきた人々の心を今なお揺さぶり続けている。
かつてNFTに内包されていた実験性に立ち還ることを試みる本展では、NFTを用いた芸術的実験に焦点を当て、「分有」、「シミュラクラのアウラ」、「超国家的権力」という3章立てで構成。それぞれの主題は、「所有・→、契約」、「制作」、「展示」という作品の前提条件とも呼応し、20世紀の美術史に連なるものとして2014年以降の約10年間に制作された様々なNFTアートを紹介する。
出品作家は、ダミアン・ハースト、ラファエル・ローゼンダール、ルー・ヤン、チームラボ、ソル・ルウィット、セス・ジーゲローブ、森万里子、藤幡正樹など、計13名(グループ)。
オンラインとオフラインで展開されるこの展覧会と関連出版物は、NFTが生み出す新しい意味と価値のシステムについての問題を提起し、未曾有の情報環境において現代のアーティストが果たす役割を検証、再定義するものである。また、私たちの生活の現実とそこから形作られる精神と文化に、仮想空間が及ぼす影響についても改めて模索する。 なお、会期終了は5月21日(日)。美術史におけるNFTアートという変異種、そしてそれが今後どのように定義、位置付けられるかについてこの機会に学んでみてはいかがだろう。
会期:3月24日(金)~5月21日(日)
会場:GYRE GALLERY
東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE 3F
時間:11:00~20:00
主催:GYRE、スクールデレック芸術社会学研究所、decontext
監修:飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)
企画:高橋洋介(decontext)
TEL:0570-056990 ナビダイヤル(11:00~18:00)
gyre-omotesando.com/artandgallery/nft-art/
ダミアン・ハースト、ラファエル・ローゼンダール、ルー・ヤン、レア・メイヤース、高尾俊介(ジェネラティブマスクス)、チームラボ、ソル・ルウィット、セス・ジーゲローブ、森万里子、藤幡正樹、施井泰平、鎌谷徹太郎