NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT APR, 2025
ブランドの歴史や手仕事への献身を称える展覧会
「ロエベ クラフテッド・ワールド」展が開催中。
ART Apr 8, 2025
「LOEWE(ロエベ)」は、ブランド初の大型展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」を、東京 原宿にある特設会場にて開催中。
本展は、ファッションに対する「ロエベ」の前衛的なアプローチと、世代を超えて受け継がれるクラフトの文化を紹介するもので、2024年に初開催された上海を皮切りに世界各地を巡回する。1973年に「ロエベ」がヨーロッパ圏以外で初めて出店して以降、豊かな文化的対話を続けてきた東京を舞台に行われる今回の大規模展では、創業から今年3月にクリエイティブ ディレクターを退任することが発表されたジョナサン・アンダーソンが主導したルネッサンスに至るまで「ロエベ」の軌跡を紐解きつつ、179年にわたるブランドの創造性や革新性、さらに卓越した技術の歴史を丹念に辿っていく。
レム・コールハースらによって設立された世界的な建築事務所OMAとのコラボレーションによってデザインされた会場は、テーマ別に別れた複数の異なる部屋で構成。また、東京での開催を祝して、これまで日本国内外で行ってきたコラボレーションや文化プロジェクトを紹介するための作品が特別に展示される。
世界各地のクラフトを支援する「ロエベ」の取り組みを紹介する「クラフトによる連帯」の部屋では、京都で400年にわたり茶の湯釜造りを生業としてきた大西家の技術を保護し、次世代の育成をサポートするLOEWE FOUDATION提供の支援プログラムを紹介。他にも2022年のミラノサローネ展示「循環する創意とクラフト、その先へ。」で披露された、修復されたバスケット作品や、2023年のチャイニーズモノクローム コレクションにインスピレーションを与えた明・清時代の美しい単色陶磁器なども紹介される。
他にも、キャビア刺繍、レザーマルケトリー、折り紙のような造形技法、さらには3Dプリントといった革新的な手法を深く掘り下げ、クラフトマンシップの最前線を擬似体験する「ロエベのアトリエ」の部屋に加え、スタジオジブリの名作にインスパイアされた2023年のカプセルコレクションで披露された高さ2メートルに巨大化した「ハウルの動く城 バッグ」を展示する「城の部屋」など、ブランド史の変遷と現在地を網羅的に紹介する。
ジョナサン・アンダーソン就任以来のコレクションから、厳選された54体のルックを7台の縦型スクリーンに映し出されるランウェイ映像と共に紹介する「限界なきファッション」の部屋では、その創造性の一端に触れられる。また、日本の陶芸ユニット、スナ・フジタによるおとぎ話のような情景が覗き見れる小部屋やジョー・ブレイナードのコラージュが立体化された部屋など、過去10年にわたるコラボレーションの着想源となった5つの魅惑的な部屋で構成される「意外な対話」の部屋では、鑑賞者のイマジネーションを拡張してくれるだろう。そのこだわりは各部屋だけでなく、イギリスの アーツ・アンド・クラフツ運動を代表する建築家、チャールズ・ヴォイジーのタイルやテキスタイルデザインを再解釈し、東京のクリエイティブスタジオ「edenworks」とのコラボレーションで制作された、空中で揺れる花園が来場者を出迎えるなど、随所に驚きとアイデアが散在する趣向を凝らした空間となっている。
なお、会期終了は5月11日(日)。「ロエベ」が贈る、時間、空間、素材、そして作ることの技術を巡るインタラクティブで壮大な旅路を体感してみてはいかがだろう。
会期:開催中(5月11日まで)
時間:9:00~20:00(最終入場時間 19:00)
会場:東京都渋谷区神宮前6-35-6
*JR山手線「原宿」駅徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅直結
入場無料(予約制) LINEによるチケット予約はこちら:liff.line.me/1572811923-DLbqnmWq
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