NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
60年代以降のクリエイティブ領域を下支えした
編集者,小池一子の仕事を網羅する展覧会。
ART Feb 18, 2022
コピーライター、編集者、クリエイティブディレクターとして活躍する小池一子の仕事を総括するエキシビション「オルタナティブ! 小池一子展 アートとデザインのやわらかな運動」が、アーツ千代田3331で3月21日(月、祝)まで開催中。
コピーライター/編集者として1959年からそのキャリアをスタートさせた小池一子は、1960年代以降の日本のクリエイティブ領域の黎明期を牽引し、80年代よりアートの現場にも活動を拡張。日本で初めての“オルタナティブスペース”と称される「佐賀町エキジビット・スペース」(1983~2000)を東京、永代橋際に開設した。同スペースは、国内外の新進作家の活動を支援する場であると同時に、同時代の社会に向けて小池が投げ掛けた、実践的かつ純粋な思考への希望を示唆するものでもあった。
本展では、60年余にわたる小池の仕事を「中間子」、「佐賀町」と名付け、大きく2部構成で紹介する。湯川秀樹博士による日本初のノーベル賞受賞の主題に着想し、何かと何かを結びつけて新しい価値を生み出す小池の仕事を象徴する言葉をタイトルに冠した「中間子」では、「装苑」や「ウィークリー・ファッション」といった書籍や雑誌の仕事125点余りをはじめ、キュレーターとして携わった「フリーダ・カーロ展」(1989、西武美術館)、「田中一光とデザインの前後左右」(2012、21_21 DESIGN SIGHT)、さらに、スタート時からコピーライトを担当した無印良品や、石岡瑛子とタッグを組んだパルコのアドバタイジングなど、関連資料を約200点展示。デザインやアート、そのものではないが創作に関わる共作を“見える化”する意図を込めて、小池のクリエイティビティ溢れる多彩な活動を振り返る。また、会場では映像ディレクター、小松真弓による映像作品も上映される。こちらは、小池一子をよく知るアーティスト、企業家、文化人らが、“人間、小池一子”について語る貴重なインタビュー映像となっている。
一方、2000年の閉廊までに106もの展覧会やパフォーマンスなどを実現してきた佐賀町エキジビット・スペースを舞台に開催されるエキシビション「佐賀町」では、杉本博司、大竹伸朗、横尾忠則、立花文穂、森村泰昌、シェラ・キー リー、シュウゾウ・アヅチ・ガリバーといった、世界的なアーティストたちによる、当時の貴重な作品を多数展示。また、本展の一環として「sagacho archives」(B1F B110)にて内藤礼のインスタレーション「地上にひとつの場所を」(1991/2022)が完全予約制で公開される他、2月23日(水。祝)には巻上公一によるライブパフォーマンスも披露される。
内容の異なる2会場の展示を併せて鑑賞することで、創作における領域を軽やかに飛び超え、芸術家やクリエイターらの表現を伴走者として下支えする土壌を開拓した小池の仕事を総括すると共に、同時代を生きたアーティストたちの軌跡を辿る。1960年代以降の日本のクリエイティブの歴史と関係性を俯瞰するエキシビションだけに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
会期:開催中(3月21日まで)
会場:メインギャラリー(1F)、sagacho archives(B1F)、B111(B1F)他
時間:11:00~19:00(最終入場は閉場30分前まで)
休場:会期中無休
*「sagacho archives」(B1F B110)の内藤礼作品は毎週月曜日、2月21日(月)~23 日(水)休廊
料金:一般¥1,000、シニア(65+)、学生¥800
*千代田区民は身分証明書のご提示で無料、障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名は無料、高校生以下無料
alternative-kazukokoike.3331.jp