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シャルロット・ペリアンらの名作家具が,
一堂に会す注目のエキシビジョンが開催。
LIFE STYLE Aug 25, 2021
世界中のヴィンテージモダン家具を展開する2つのギャラリー「アトリエ ギャラリー」と「オブジェ デ アート」がキュレーションを手掛けたエキシビジョン「シャレーオート」展 ~シャルロット・ペリアンとジョゼ・ザニーネ・カルダス 偉大な建築家、デザイナーが手掛けた家具~が、8月25日(水)から伊勢丹新宿店で開催する。
本展は、“近代建築の巨匠”とも称されるル・コルビジェのアトリエにおいて、対等な関係でインテリア部門を牽引したシャルロット・ペリアンと、ブラジルの近代建築の礎を築いたルシオ・コスタやオスカー・ニーマイヤーらと仕事を共にし、キャリア後年にはブラジル建築士協会より名誉建築士の称号を受けるなど、その評価を確かなものとしたブラジル出身のジョゼ・ザニーネ・カルダスという2人の偉大な建築家にフォーカスを当てたものである。国籍や世代こそ異なるが、両者のクリエイションからありふれた木材を美しく繊細な作品へと生まれ変わらせる独自の審美眼と選択眼という共通項を見出すことで、両者が提唱してきた空間や素材の新しい捉え方に改めて着目し、家具とインテリアコーディネートの魅力を再発見して欲しいというキュレーターの想いが込められている。
“ラグジュアリーな山小屋”をテーマに設えられた会場内には、シャルロット・ペリアンが1960年代~80年代にかけて携わったモンブランに面するゲレンデを中心としたリゾート開発事業「レ・ザルク」プロジェクトで、デザインまたはセレクトを手掛けた家具作品や、ジョゼ・ザニーネ・カルダスの家具作品を中心に独自の空間コーデイネートと作品の展示販売が行われる。また、前述のプロジェクトにおいて、雪山の中における自然と建築や家具の調和を考えてペリアンが設計したリゾートホテル「レ・ザルク 1800」の小さな一室を再現するインスタレーションも行われ、当時発展が進み過ぎた都市での生活環境との対比をデザインに昇華したペリアンの“自然回帰”という現代にも通づる先見性の一端を知ることができる。
一方、ジョゼ・ザニーネ・カルダスに関しても、1960年代当時の軍事政権下でのブラジルで深刻な森林破壊が行われている事実に衝撃を受けて、自身の手で大きな無垢材から家具を掘り出すというベーシックなアプローチに立ち返り、木材に元々あったヒビや割れ、さらに曲線を活かした彫刻的な作品を生み出した。これらの作品群は、“訴える家具”とも呼ばれ、森林破壊への抗議へのメッセージを具現化したものである。本展では、こちらの“訴える家具”シリーズの作品も展示されるので、制作から60年近く経った今なお色褪せない普遍的なメッセージとプリミティブな造形美をお見逃しなく。
なお、シャルロット・ペリアンとジョゼ・ザニーネ・カルダスの作品に加え、ピエール・シャポー、セルジオ・ロドリゲス、オスカー・ニーマイヤーの家具作品など、これまで「アトリエ ギャラリー」と「オブジェ デ アート」が世界中から集めてきた家具作品の展示、販売も行われる。特にブラジリアン・ヴィンテージに関しては、国内ではあまり紹介されることのなかった希少なプロダクトが多数集まるまたとない機会となるだけに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
会期:8月25日(水)~9月5日(日)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:なし
会場:伊勢丹新宿店本館2階
東京都新宿区新宿3-14-1
TEL 03-6276-5323