VARIOUS ARTISTS THINK ABOUT “BOUNDARY”

Photography_Ken Kato[Gallery]
Text_SWAG H.

VARIOUS ARTISTS
THINK ABOUT
"BOUNDARY”

写真作品から問いかけるあなたの視点とは？
“境界”をテーマにした展覧会が開催中。

ART Apr 9, 2021

Photography_Ken Kato[Gallery]
Text_SWAG H.

資生堂ギャラリーでは、5組のアーティストによる展覧会｢アネケ・ヒーマン＆クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点｣が現在開催中。

「アネケ・ヒーマン＆クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点」会場風景

本展の共通テーマは“境界”。国籍や年齢はもとより、作風やキャリア、ライフステージも様々なアーティストが、レンズの先に捉え、真摯に向き合っている“境界”とは一体どのようなものなのか？普段私たちが見ている世界との類似点や、相違を各々の作品を通じて鑑賞者に問いかけるものである。

アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ｢Remodeling Shiseido Gallery edition｣(2020) ©Anneke Hymmen & Kumi Hiroi

アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ｢Remodeling Shiseido Gallery edition｣(2020) ©Anneke Hymmen & Kumi Hiroi

潮田登久子｢本の景色/BIBLIOTHECA｣(2008) ©Tokuko Ushioda, Courtesy of PGI

潮田登久子｢本の景色/BIBLIOTHECA｣(2020) ©Tokuko Ushioda, Courtesy of PGI

参加するのは、写真を軸にした表現を行う女性アーティストたちで、フォトグラファーとグラフィックデザイナー/アーティストによるクリエイティブユニット、アネケ・ヒーマン＆クミ・ヒロイ、撮影された本の佇まいから背景や関係性を提示する潮田登久子、手縫いのオブジェを身につけたセルフポートレイトを起点に幅広い制作活動を続け、第45回木村伊兵衛賞を受賞した片山真理、｢見る｣という行為をインスタレーションで鑑賞者に問いかける春木麻衣子、かつて当たり前であったはずの境界をテーマにしたアートワークからイノセントなファッションまで幅広く活躍する細倉真弓の計5組。

片山真理｢shadow puppet #014｣(2016) ©Mari Katayama.

片山真理｢Renaiss Hall #003｣(2016) ©Mari Katayama.

春木麻衣子｢A certain composition of eyes 04｣(2014) ©Maiko Haruki Courtesy of TARO NASU

春木麻衣子｢I never know that I know 03｣(2020) ©Maiko Haruki Courtesy of TARO NASU

本展のテーマこそおぼろげで曖昧ではあるが、コロナ禍で先が見えないという、誰しもに等しく訪れた新たな境界線を、人間の叡智や連帯、想像力を持って乗り越えようとしている現代。そんな答えもはっきりとした正解も見出せない中で、他者と自分、世の中と自分の間にある(もしくは、ない)境界とは？という問いに対して、作家個々のある視点を提示することが美の意味でもあるという思いが企画された背景にある。その上で、タイトルにもあるようにこの写真展を体験した鑑賞者であるあなたの視点もまた、意味があり、そこに何かしらの気づきや考えを深めて欲しいという願いも込められている。