NEW GENERATION, NEW WAVE
ABOUT OCT, 2024
寒川裕人主宰のユージーン・スタジオによる,
個展が開催!代表作や初公開の新作を展示。
ART Jan 19, 2022
アメリカ生まれの現代美術作家、寒川裕人による日本を拠点としたアーティストスタジオ、EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)の個展「ユージーン・スタジオ 新しい海」が、東京都現代美術館で開催中。
ユージーン・スタジオにとって国内公立美術館における初個展となる本展は、同時に東京都現代美術館で開催される平成生まれの作家として初めてのエキシビジョンでもある。ユージーン・スタジオは、「89+」展(2014年、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)への作品提供をはじめ、個展「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」(2017年、資生堂ギャラリー)、「資生堂ギャラリー100周年記念展」(2018~2019年)や、「de-sport」展(2020年、金沢21世紀美術館)への参加など、国内外で高い評価を獲得。さらに、「紙の動物園」や「もののあはれ」などの著作で知られるアメリカを代表する現代SF作家、ケン・リュウとの共同制作や、国内外10以上の国際映画祭で受賞やオフィシャルセレクションに選出された短編映画製作など、自由な発想から生まれるジャンルやシーンを横断した幅広い活躍で国際的な注目を集める存在だ。
今回の大規模な個展は、ユージーン・スタジオの多岐にわたる活動に通底する視点や発想、哲学を紐解く内容となっている。スタンリー・キューブリック監督によるSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」のエンディングセットを風化させ、物質とテクノロジーの終焉に迫った「善悪の荒野」をはじめ、高揚や共感のメカニズムにフォーカスした「『あるスポーツ史家の部屋と夢』より#連弾》」、真っ白なキャンバスに100人ほどが接吻して“愛”や“信仰”という精神的支柱を出現させた「ホワイトペインティング」シリーズといった、これまでの代表作に加え、2019年にYUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)のパリ オートクチュール コレクションに作品提供し、大きな反響を呼んだインスタレーション「ゴールドレイン」などの本邦初展示の作品や新作を一堂に展示する。
また、会期中にはユージーン・スタジオが手掛けた2本の短編映画を鑑賞する催しも設けられており、現在、ワールドワイドな期待が高まる若手現代作家の全貌に触れられるまたとない機会といえよう。会場では、作品の掲示順や演出にも工夫が凝らされており、これまで予期できなかったような様々なことが起こり続ける現実の中で、私たちは何を信じることができ、他者と何を共有できる/できないのかなどの根源的な問題について、鑑賞者自身が展示室を巡りながら思い起こさせるような構成となっている。
平面作品、映像、彫刻、インスタレーションなど、ユージーン・スタジオの多彩な表現と作品群を通して、鑑賞者に多面的な刺激を与え、これまでになかった気付きへと導いてくれる本展にぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
会期:開催中(2月23日まで)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
東京都江東区三好4丁目1-1
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(2月21日は開館)
観覧料:一般¥1,300/大学生、専門学校生、65歳以上¥900/中高生¥500/小学生以下無料
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)