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4人の作家の視点を辿った先に見えるものとは?
「ジギタリス あるいは1人称のカメラ」展が開催。
ART Apr 14, 2021
石原海、遠藤麻衣子、長谷川億名、細倉真弓の4名のアーティスト、映画監督による展覧会「ジギタリス あるいは1人称のカメラ」が、Takuro Someya Contemporary Artで4月17日(土)より開催される。
「ルポ 川崎」(磯部涼著 サイゾー刊)での骨太のポートレートやイノセントなファッションフォトなど、写真や映像をベースにした制作活動を続ける細倉真弓によって企画された本展では、映像分野の中でもそれぞれ異なる領域で活動する4人のアーティストが参加。
細倉真弓以外には、愛、ジェンダー、個人史と社会を主なテーマに、物語をベースとした実験的な映画作品とヴィデオインスタレーションを制作する映画監督/アーティストの石原海、バイオリニストやコンポーザーとして活躍する傍ら、イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭にてグランプリを受賞するなど、映画監督としての評価を確立する遠藤麻衣子、写真表現や散文の発表に加え、「イリュミナシオン」(2014)、「デュアルシティ」(2015)など、複数の作品で監督を務めた長谷川億名が名を連ねる。すべて今回の展覧会のために製作された新作で、映像作品やインスタレーション、写真作品を中心に構成される。
なお、細倉真弓のステートメントによると、ジギタリスとは漫画家、大島弓子の同名作品に出てくる、眠れない時無理に⽬を閉じているとどこからともなく湧いて出て消滅する不定形の発光体を表す名前。一般的に機械の目による客観的な記録装置として認識されるカメラだが、観る者が撮影者の視覚を共有できるという意味では個人的な視線のツールである細倉は考える。つまり、レンズを通して生み出された作品/視線を反対側に辿ることで、撮影者の目の裏をなぞるような、誰かのジキタリスと出会うことが可能になるのでは? との彼女の推測からすれば、この展覧会は各々の作品に見る「一人称的な視点」を通じて、今現在の私たちにとっての「みる」ということを編みなおす機会となりそうだ。
会期は4月17日(土)~5月29日(土)まで。さらに細倉の言葉を借りるならば、本展とその作品群は“私とあなたの境界を少しだけ曖昧にする、なぞられた視線を逆に 辿ったその先にあるものについての問い” であり、それが観るものにとって、共感や断絶、また全く別の何であるかを含めてぜひ実際にその目で確かめてみてはどうだろう。
会期:4月17日(土)~5月29日(土)
*大型連休:5月1日(土)~5月5日(水) 休廊
時間:火、水、木、土 11:00~18:00 / 金 11:00~20:00
休廊:日曜日・月曜日・祝日
会場:Takuro Someya Contemporary Art
東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA ART COMPLEX 3F
TEL 03-6712-9887
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